中野爵喜氏らの法人支配と資金移動を問います
法人の名前は複数あっても、その意思決定に関わる人物をたどると、同じ名前が繰り返し現れる。さらに、給与や約定した代金が支払われないという訴えの一方で、経営に関わる特定の人々へ資金が流れているとの情報がある。間柴医院ユニオンは、新正会グループの問題を、支払い窓口の対応だけに限定せず、法人を横断する意思決定と資金管理の問題として追及します。
今回、当組合に寄せられたのは、医療法人新正会の社員総会と理事会、有限会社間柴メディカルサービス、株式会社PRC、そして株式会社Nをつなぐ人的・資本的な関係についての情報です。中心に名前が挙がっているのは、中野爵喜氏、中野なぎさ氏、中野景太氏、田中継一郎氏です。
加えて、中野氏がカンボジアでの追及を避けて日本へ戻ったという帰国経緯や、日本での逮捕を自らの身の安全に利用する趣旨の発言についても情報が寄せられています。これらを踏まえ、当組合は、いわゆる「トクリュウ」と呼ばれる匿名・流動型犯罪グループの特徴に当たる実態があるのかを含め、組織的な資金獲得・処分への関与を調べる必要があると考えます。
問うべきなのは、誰が誰の家族なのかということだけではありません。誰が決め、誰が実行し、誰が資金を管理し、最終的に誰が利益を受け取ったのか。そのつながりを、契約、決裁、会計、送金の記録によって明らかにすることです。
新正会の社員総会と理事会。意思決定に関わるのは誰か
当組合に寄せられた情報によれば、医療法人新正会の社員総会を構成する社員は、次の四人です。
- 中野爵喜氏。
- 中野なぎさ氏。中野爵喜氏の配偶者。
- 中野景太氏。中野爵喜氏の弟。
- 田中継一郎氏。
ここでいう「社員」は、一般にいう従業員のことではありません。医療法人の社員総会で議決権を持つ構成員です。株式会社の株主総会に似た意思決定機能を担う場ですが、株式を持つことと同じ仕組みではありません。
医療法第46条の3の3第1項は、次のように定めています。
社員は、各一個の議決権を有する。
提供された構成に照らせば、新正会の重要事項を決める場に、中野爵喜氏とその親族、田中氏が集まっていることになります。また、理事会には、中野爵喜氏、同氏の父親、田中継一郎氏が名を連ねているとの情報です。社員総会と理事会の双方について、誰が議案を作り、どのように承認し、誰が実行していたのかを確認する必要があります。
特に、関連会社や役員本人に利益が及ぶ取引については、通常の事業上の判断と同じ感覚で処理してよい問題ではありません。医療法第46条の3の3第6項は、社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員は議決に加われないと定めています。誰が賛成したかだけでなく、誰が議決から外れるべき立場だったのかも確認対象です。
経営上「オーナー」と呼ばれる立場にあったとしても、医療法人の財産がその人の個人財産になるわけではありません。法人を動かす権限があることと、法人の資金を自分や関係者のために自由に処分できることは、別の問題です。
間柴メディカルサービス、PRC、株式会社Nをつなぐ中野景太氏らの役割
医療法人の外側にある関連会社も、今回の検証から外すことはできません。間柴グループの公式のグループ紹介では、医療法人新正会と有限会社間柴メディカルサービスによる事業展開が紹介されています。
今回の提供情報では、有限会社間柴メディカルサービスと株式会社PRCは、いずれも中野景太氏が代表取締役を務め、両社の株主は株式会社Nであるとされています。株式会社Nについても、中野爵喜氏が所有・支配する会社だという説明です。
さらに、関連会社の役員構成については、中野爵喜氏と田中継一郎氏が役員として関わり、過去には中野なぎさ氏が代表取締役を務めたという情報も寄せられています。法人ごと、時期ごとに就任と退任を整理し、代表権、契約の決裁権、銀行口座の管理権限が、誰から誰へ移ったのかを明らかにする必要があります。
別媒体である「オカミのユニオン」の検察ユニオンも、2026年8月27日の株式会社Nの代表者の変遷と新正会との関係を取り上げた記事で、中野なぎさ氏、中野景太氏、田中継一郎氏の関与を扱っています。同記事は、中野景太氏が間柴メディカルサービスとPRCの代表者も務めてきたと記載しています。
医療法人では社員総会や理事会を通じて意思決定に関わり、関連会社では株式と役員の地位を通じて経営に関わる。この二つの経路が、どのようにつながっているのかが重要です。医療法人と株式会社を一つの財布のように扱うことなく、それぞれの法人が何を受け取り、何を支払ったのかを分けて調べなければなりません。
代表者の名前が変われば、銀行や取引先が接する相手も変わります。しかし、それだけで実際の指示者や利益を受け取る人まで変わったとは限りません。反対に、後任者であるというだけで前任者の行為に責任を負うとも限りません。必要なのは、交代の前後に各人が何を引き継ぎ、何を決めたのかという具体的な記録です。
中野なぎさ氏・中野景太氏・田中継一郎氏への資金移動という指摘
当組合には、新正会グループから、中野なぎさ氏、中野景太氏、田中継一郎氏らへ資金が流れているとの指摘が寄せられています。この情報を検証するには、単に受取人の名前を見るだけでなく、支払元の法人、支出の名目、金額、時期、契約上の根拠、実際の業務や資産の移転を照合する必要があります。
これまで組合員から寄せられた申告には、労務サポートや助成金事業の補助作業を命じられたこと、事業に関する入金後も外注先や出向関係者への約定した支払いが行われていないこと、連絡が無視されていることが含まれています。組合員本人の給与未払いについても訴えがあります。
こうした未払いが生じている時期に、経営に関わる人や関連会社への支出が行われていたのであれば、その判断の根拠を問わなければなりません。誰に対する債務を、どのような理由で支払い、誰に対する債務を支払っていないのか。資金が足りないという事情があるのか、それとも支出の選択に問題があるのかを、帳簿と口座の動きから確認する必要があります。
医療法第54条は、次のように定めています。
医療法人は、剰余金の配当をしてはならない。
医療法人が適正な役員報酬を支払い、実在する業務の対価を払い、正当な債務を返済することと、法人の利益を根拠なく関係者へ移すことは区別されます。だからこそ、名目だけで判断せず、支払額に見合う業務があったか、契約の条件が合理的だったか、誰が承認したかまで確認する必要があります。
取引の支払側と受取側に同じ人物が関わっているのであれば、価格や条件を誰が点検したのかも重要です。法人の利益を守る立場の人が、自分や関係者への支払いを決める場面で、利害関係への配慮や第三者による確認が機能していたのか。監事の監査も含め、組織としてのチェックを問います。
法人名を一つ挟んだから、資金の性質まで変わるわけではありません。支出に正当な根拠があるのか、途中の法人は何をしたのか、最終的に誰が利益を受けたのか。会計上の科目だけでなく、取引の実態を示していただく必要があります。
「トクリュウ」型の実態を問うなら、匿名性・流動性・犯罪収益を具体的に調べる必要があります
警察庁は、「匿名・流動型犯罪グループの特徴」として、犯罪収益を吸い上げる中核部分の匿名化と、実行者の流動化などを説明しています。表に出て作業をする人だけでなく、その背後で指示し、利益を得る部分を解明することが、重要な捜査上の課題とされています。
新正会グループについても、法人の名義と実際の指示者がどう対応しているのか、業務を担う人に何が説明されていたのか、どこに利益が帰属しているのかを調べる視点は重要です。ただし、親族中心の経営や複数法人の存在だけで、犯罪集団であることが証明されるわけではありません。代表者の交代と、警察庁がいう犯罪実行者の流動化も、同じではありません。
当組合が検証を求めるのは、まず、事業への協力を取り付ける際に虚偽の説明がなかったかという点です。次に、その説明や支払判断について、関係者がどのような認識を共有し、役割を分担していたのか。そして、得られた資金や利益が、どのような経路で誰へ移ったのかという点です。
登記上の代表者と別の人物が実際に指示していたのか、契約や会計処理を重ねることで資金の受取人を見えにくくしていなかったか、実務担当者には全体像を知らせずに作業を分担させていなかったか。これらは、関係者の説明と記録によって確認すべき事項です。
「完全に匿名化されている」と言い切るだけでは、誰の責任も明らかになりません。名義上の責任者、実際の指示者、口座管理者、最終的な受益者を一つずつ特定する必要があります。犯罪収益の存在や実行者の流動性についても、役員名簿から推測するのではなく、それぞれの事実を確認しなければなりません。
当組合は、呼称だけを先に決めて問題を終わらせるつもりはありません。「トクリュウ」への該当性を含め、組織的な関与があるのかどうかを調べ、関与した人にはその行為に応じた責任を求めます。従業員として指示された補助作業をした人と、事業や資金処分を決めた人の役割も、明確に分けて検証します。
カンボジアからの帰国は何を目的としていたのか
今回の情報提供には、中野爵喜氏が、カンボジアで組織的な詐欺・横領とされる行為の発覚を受け、現地での追及を避けるために日本へ逃れてきた、という説明も含まれています。これは単に海外に住んでいた人が帰国したという話ではなく、帰国の目的そのものに関わる情報です。
カンボジアでの問題については、同じ「ミンナのユニオン」内のラストワンマイル労働組合が、2026年5月18日付で、詐欺・横領を扱った現地発信の内容を保存しています。
同記事は、約460万米ドル規模の被害を伝える内容を紹介するとともに、現地の捜査機関等への問い合わせで、当時カンボジア国内で指名手配中との説明を受けたと記載しています。この記録は、同記事の掲載時点の情報です。
今回寄せられた帰国目的の情報と、当時の報道・照会結果は、内容を区別しながら照合する必要があります。過去記事が存在することだけで帰国の動機まで確定するわけではありませんが、出入国の時期、現地での刑事手続、本人の発言、その前後の会社運営や資金処分を確認するうえで重要な接点になります。
帰国の前後に、法人の代表者、口座の管理権限、資産の名義、連絡や決裁の方法が変わっていなかったか。中野氏が国外にいた間、国内で誰が指示を受け、帰国後はどのように業務を続けたのか。国内の法人だけ、海外の被害だけと切り分けず、同じ人物が関わる経緯として時系列を確認する必要があります。
「日本で逮捕されれば守られる」との発言情報と、田中継一郎氏の接点
当組合に新たに寄せられた情報では、中野爵喜氏は、日本の捜査機関について、反射的に逮捕して結果的に自分の身柄を守ってくれるという趣旨を語り、捜査関係者を「貧乏人のアホ」などと呼ぶ発言を繰り返していたとされています。
日本での身柄拘束を国外での追及回避に利用するという趣旨については、別媒体「オカミのユニオン」の検察ユニオンも、2026年9月1日の「【鹿児島地検と横浜地検からまた情報流出?】中野爵喜被告を守っているのは誰なのか」で取り上げています。
同記事は、中野氏が日本で逮捕される以前、国外の捜査機関による身柄追及を避ける趣旨の説明をしていたとの情報を記載し、その説明を受けたとされる人物の一人に田中継一郎氏を挙げています。
ここで当組合が注目するのは、侮辱的な言葉の強さではありません。国外の刑事問題に対する本人の対応方針と、新正会や関連会社の経営に関わる人物との間に、どのような情報共有があったのかという点です。田中氏には、その説明を聞いたのか、どのようなやり取りがあり、その前後に法人の契約や資金管理について何を決めたのかを明らかにしていただく必要があります。
本人が日本の刑事手続を利用できると考えていたことと、捜査機関が実際にその意図に協力したことは別です。発言情報から当局の目的まで決めつけず、本人の企図、関係者との連絡、実際の行動を照合することを求めます。
中野氏の帰国や身柄に関する事情が、法人の代表者や資産の管理方法を決める際に考慮されていたのか。関係者が会社を運営する判断と、中野氏個人の事情に対応する判断を混在させていなかったか。この点も、医療法人とそこで働く人の利益を守るために検証すべき問題です。
刑事面の検証と、医療法人の業務・会計の確認を求めます
当組合は、未払い賃金や約定した支払いの問題に取り組むとともに、契約時の説明、関係者の意思連絡、入金後の資金処分を整理し、刑事告訴・告発または被害届の提出を検討します。各被害当事者の立場と意思を確認し、誰がどの行為によって被害を受けたのかを具体化して進める方針です。
捜査機関には、表に出た担当者や一つの法人の口座だけで検証を終えず、実際の指示者、契約の承認者、資金を管理した人、最終的な受取人まで調べることを求めたいと考えています。法人ごとの権限と財産を区別しながら、法人をまたいだ共同関与の有無も確認する必要があります。
医療法人としての業務・会計については、刑事責任とは別に、所管行政庁による確認の仕組みがあります。医療法第63条第1項は、業務・会計に法令等への違反の疑いがある場合や、運営が著しく適正を欠く疑いがあると都道府県知事が認める場合に、報告を求め、立入検査を行うことができると定めています。
当組合は、提供された情報と確認できる記録を整理し、新正会の意思決定、関連会社との取引、役員や関係者への支出について、所管行政庁による確認を求めることも検討します。刑事事件としての結論だけを待つのではなく、医療法人の財産と運営を守る観点から、必要な調査を進めるべきだと考えます。
その際に守られるべきなのは、患者さまや利用者の生活と、現場で働く人々です。調査の対象を個々の経営判断や資金処分へ具体化し、医療・介護の継続と労働者の権利を損なわない形で、問題の是正を求めます。
中野爵喜氏・中野なぎさ氏・中野景太氏・田中継一郎氏と関係法人への公開質問
間柴医院ユニオンは、医療法人新正会、有限会社間柴メディカルサービス、株式会社PRC、株式会社Nおよび関係者に対し、次の事項について具体的な説明を求めます。今回示した提供情報と異なる事実がある場合は、その相違点と根拠を示してください。
- 医療法人新正会の現在の社員構成と理事構成、各人の就任時期を明らかにしてください。社員の加入・退社、理事の選任について、どのような手続と決議が行われましたか。
- 間柴メディカルサービス、PRC、株式会社Nの各社について、株主構成、歴代の代表取締役・役員、就任・退任の時期を示してください。株式会社Nによる株式保有と、中野爵喜氏による所有・支配について、提供情報に相違はありますか。
- 中野爵喜氏は、新正会と各関連会社の契約、採用、助成金事業、支払い、資産処分について、どの立場からどのような指示を出していましたか。登記上の役職と、実際の決裁・指揮権限の関係を説明してください。
- 中野なぎさ氏、中野景太氏、田中継一郎氏およびその関係法人に対し、新正会グループからどのような支払いが行われていますか。支払元、支払先、金額、時期、名目、契約上の根拠、実際の業務内容と承認者を明らかにしてください。
- 関連会社や役員本人に利益が及ぶ取引について、取引条件を誰が検証しましたか。社員総会や理事会での利害関係への対応、監事による確認の内容を説明してください。
- 給与や外注先・出向関係者への約定した支払いが履行されていないとの申告について、各法人はどのように回答しますか。同じ時期の関係者への支出と併せて、支払判断の経緯と未払いの解決方針を示してください。
- 中野爵喜氏がカンボジアから日本へ戻った経緯について、今回の情報提供に相違はありますか。帰国の前後に、法人の役員、口座管理者、資産名義、決裁方法を変更した事実がある場合は、その理由と決定者を説明してください。
- 田中継一郎氏は、中野爵喜氏から、日本での身柄拘束を国外での追及回避に利用する趣旨の説明を受けましたか。その前後に、新正会や関連会社の運営、契約、資産管理について、どのような連絡と判断を行いましたか。
- 社員名簿、株主名簿、議事録、契約、会計、入出金、業務指示に関する記録を保存し、利害関係から独立した立場による調査に協力しますか。調査と是正を判断する責任者を明らかにしてください。
役職を持つ人には、役職に応じた説明があります。実際に指示した人には、その指示についての説明があります。資金を受け取った人には、何の対価として受け取ったのかという説明があります。法人名や担当者名を順番に挙げて責任を移すのではなく、それぞれの行為を一つの経緯として示してください。
地域医療を守るために、経営と資金の実態を明らかにしてください
新正会グループの問題を追及することは、そこで働く医療・介護従事者や、サービスを利用する人々を犯罪と結び付けることではありません。むしろ、現場の努力によって成り立つ事業が、経営に関わる個人の事情や不適切な資金処分によって損なわれていないかを確かめるための取り組みです。
同じ人物が複数法人に関わっているのであれば、その関わりを具体的に説明してください。正当な取引による支出であれば、契約と履行実績を示してください。未払いがあるのであれば、支払うべき法人が解決に向き合ってください。それぞれの説明を重ねることが、疑惑に答えるための出発点です。
当組合が求めるのは、犯罪集団という呼び方への賛否だけではありません。新正会の社員総会と理事会、株式会社Nを介した資本関係、間柴メディカルサービスとPRCの運営、そして個人や関連法人への資金移動を、記録に基づいて明らかにすることです。その中に犯罪への共同関与が認められるのであれば、関与した各人の責任を追及します。
中野爵喜氏、中野なぎさ氏、中野景太氏、田中継一郎氏および関係法人には、誰が何を決め、誰が何を受け取り、どの責任を負うのかを説明することを求めます。法人の数が増えても、代表者の名前が変わっても、働いた人への支払いと、受け取った資金についての説明が消えることはありません。
