【ラストワンマイル労働組合】atashinoコカン事件に新たな展開!伊藤美和取締役のマタハラ問題

目次

育休復帰に「よく抜け抜けと出社出来るよね」。会長室の人事は、誰のために動くのですか

「atashinoコカン事件」で物議を醸している伊藤美和取締役について、新たな苦情が寄せられました。当組合には、伊藤氏が意中の男性の股間を繰り返し凝視していたという性的被害の申告が複数届いていますが、今回は、出産後に育児休業を取得し、職場へ戻った女性社員からの被害申告です。

女性が仕事へ戻ってきた際、伊藤氏は股間を凝視するのと同様に腹部へ冷たい視線を向け、本人に聞こえるように「よく抜け抜けと出社出来るよね」と言い放ったといいます。その後、女性は出社すると強い吐き気やめまいを催すようになり、程なくして退職しました。精神的な苦痛を会社へ相談しても、返ってきたのは「それは会社ではなく、あなた自身の問題です」という対応だったとのことです。

さらに、伊藤氏の側近からは、渡辺誠会長への情報の伝え方をめぐる、看過できない発言も伝わってきています。お気に入りには手厚く、意に沿わない人には厳しく、会社のトップへ入る情報まで自分を通すよう求める。その人物が「会長室管掌取締役」として人事に関わっているのであれば、今回の問題は一人の役員の態度では終わりません。労働者の権利と会社の判断が、誰の好悪によって動かされているのかを問います。

育休から戻って挨拶した女性へ、聞こえるように投げられた言葉

今回相談を寄せた女性は、正社員として働き、出産後に育児休業を取得していました。休業を終えて会社へ戻り、事務所で伊藤氏とすれ違った際に挨拶をしたところ、冷たい視線で腹部を凝視されたと説明しています。

本人の申告によれば、伊藤氏は、すれ違った後、一緒に歩いていた別の女性従業員へ向かって、復職した本人にも聞こえるように、次の言葉を発しました。

よく抜け抜けと出社出来るよね。

仕事を続けるために育休を取得し、その育休を終えて戻ってきた人に、何を「抜け抜け」と言うのでしょうか。女性は会社へ無断で入り込んだのではありません。雇用を継続し、制度を利用したうえで、自分の職場へ戻ってきたのです。復職したことを恥じなければならない理由は、どこにあるのでしょうか。

しかも、本人へ必要な業務の説明をするのではなく、同行する従業員に話しかける形で、本人にも聞かせる言い方です。職場で影響力を持つ人物が、別の従業員を前に、復職した人を歓迎しないという評価を示す。その言葉は、本人を傷つけるだけでなく、周囲に「あの人をどう扱うべきか」という空気を作ることにもつながります。

女性はその後、育休前とは違い、会社で白い目で見られているような気配を強く感じるようになったと訴えています。出社すると強い吐き気やめまいが生じ、程なくして退職に至りました。会社には、すれ違いざまの一言だけで区切らず、その後の周囲の対応、本人の相談、退職までの経過を一続きに調べることを求めます。

当組合は既に、男性からの複数の被害申告と、行為を指摘した後の嫌がらせによって退職を余儀なくされたという相談を公表しています。今回の女性の申告を重ねると、身体へ向けられる視線と、その後に職場へ居づらくなる扱いを、性別の異なる別々の出来事として片付けてよいのかが問われます。

育休や有休が嫌いでも、取締役の好みで労働者の権利は消せません

周囲からは、伊藤氏には昔ながらの考え方があり、育児休業や有給休暇などの制度を利用する従業員を嫌っているようだという説明も寄せられています。しかし、制度を利用する人が好きか嫌いかと、その人を会社でどう扱ってよいかは、別の話です。人事権を持つ側の好みに、労働者の権利を従わせることはできません。

今回の申告は、出産し、育児休業を取得した女性に対するマタニティハラスメント、特に育児休業の利用を理由とする嫌がらせとして、正面から調査・是正を求めるべき内容です。育休を認めたという形式だけで、会社の対応が完成したことにはなりません。利用した人が復職した後に排除されるのであれば、制度は入口だけ開き、出口に嫌がらせを置いた仕組みになってしまいます。

育児・介護休業法第25条第1項は、次のように定めています。

事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

求められているのは、制度を規程へ書くだけでなく、利用した人の職場環境を守り、相談に適切に対応することです。同条第2項は、相談や事実確認への協力を理由とする不利益な取扱いも禁止しています。「制度はあります。使った後の周囲の態度は本人の問題です」という運用では、この責任を果たせません。

厚生労働省の説明でも、育児休業などの利用に関する言動によって就業環境が害されることが、ハラスメントの対象として示されています。復職した人へ聞こえるように非難を述べ、その人が働き続けにくくなる状況は、会社が調べるべき中心そのものです。

人員配置や休業中の業務分担に課題があったなら、それを調整するのが経営と人事の仕事です。その負担を、制度を利用した女性への冷たい視線と嫌味に置き換えるのは、管理の失敗を労働者へ請求しているようなものです。会社の体制が足りなかったことを、出産した人の落ち度にしないでください。

「昔ながらの考え方」という言葉も、免責の理由にはなりません。古い考えを大切にするのは自由でも、その考えを人事へ持ち込み、法が保障する制度を使った人を居づらくさせる自由まではありません。アップデートが必要なのは、復職した女性の振る舞いではなく、権限を持つ側の仕事の仕方です。

「あなた自身の問題です」。会社で生じた苦痛を、会社の外へ追い出す対応

女性は、会社で感じた精神的な苦痛について相談しても、一切取り合ってもらえなかったと説明しています。その際に返されたのが、「それは会社ではなく、あなた自身の問題です」という趣旨の言葉でした。職場での言動と体調悪化を訴えた人に対し、何を確認したうえで、そのように切り離したのでしょうか。

厚生労働省は、ハラスメントの相談について、「ハラスメントは、個人の問題ではなく会社の問題です」と説明しています。今回、女性が会社から受けたという回答は、その案内をほぼ逆向きにしたものです。会社の相談窓口が、会社の責任を検討する窓口ではなく、本人へ責任を返送する窓口になっていなかったでしょうか。

伊藤氏が何を話したか、同行していた人が何を聞いたか、その後に職場の扱いがどう変わったか。女性が相談した際に会社が行うべき確認は具体的です。そこを調べずに本人の問題と結論付けたのであれば、相談の受付と同時に会社側の免責まで完了させる、ずいぶん都合のよい手続です。

これは、当組合が現在「労災隠し」として追及している問題とも、会社の関与を本人の事情へ置き換える点で重なります。役員や人事担当者の言動によって健康を害したと訴えているのに、その行為を具体的に検証せず、本人の体調だけを私的な問題として扱う。その結果、会社で何が起きたかという問いが、手続の外へ押し出されてしまいます。

10月16日の当組合記事では、会社が、正式な申請書類を受領すれば事業主証明等へ対応すると説明する一方、業務上の疾病と認定する事情が確認されていないとした根拠について、調査相手や確認記録、判断者を示していないことを取り上げています。申請に対応するという言葉と、被害の原因を調べたかという質問は、別々に答える必要があります。

今回の女性についても、会社が責任を否定したという一事で、職場との関係を検討する道が閉じることはありません。厚生労働省は、会社の事業主証明が得られない場合でも労災保険の請求ができると案内しています。本人の症状と就業上の経過を整理し、必要な制度の利用を会社の一言で諦めさせないことが重要です。

人が辞めたことで、その人から社内へ届く相談は減るかもしれません。しかし、会社の中で生じた問題まで消えるわけではありません。退職者を増やして苦情を減らすことを、職場環境の改善と取り違えないでください。

お気に入りとはYouTubeで決めポーズ。意に沿わない人には退職へ向かう圧力ですか

伊藤氏については、その二面性も問題になっています。寄せられている情報では、自分のお気に入りを側近として手厚く扱い、ゴルフのYouTubeにも出演させ、動画の冒頭では仲良くお決まりのセリフとポーズを決める。そうした親密さが、社内の派閥を強固にするためにも使われているというのです。

一方、自分が鼻につくと感じたり、扱いづらいと感じたり、意のままにならなかったりする従業員には、男性への執拗な股間の凝視を含む、さまざまなハラスメントが向けられる。そして退職へ追い込み、その際に会社へ労働者としての権利を主張しにくい状況まで作る。これが、当組合へ伝えられているもう一つの顔です。

問題は、動画で仲良く映っていることそのものではなく、その親密さと、会社の評価・配置・相談対応がどうつながっているかです。お気に入りなら事情を聞き、そうでなければ本人の問題として切り捨てる。そんな二つの基準が人事へ持ち込まれていたのなら、労働者は仕事の成果ではなく、役員の機嫌を読む能力によって居場所を左右されることになります。

動画の冒頭では、仲良く同じポーズを取れる。ところが、職場へ戻った女性の挨拶には、冷たい視線と「よく抜け抜けと出社出来るよね」という言葉が返る。今回の申告が突き付けているのは、この落差です。カメラに収まる人への笑顔と、会社で働く人への敬意が別々の設定になっているのであれば、公開すべきなのは楽しい場面だけではありません。

育児休業、有給休暇、ハラスメント相談、労災申請は、側近として認められた人だけが使える会員特典ではありません。役員と同じセリフを言い、同じポーズを取り、同じ人間関係に入らなければ守られない権利など、労働者の権利とは呼べません。

会社には、私的な親密さが評価や処遇へ混入していなかったかを調べるよう求めます。ゴルフのスコアと人事評価は別の記録です。動画への出演歴と、会社で働き続ける資格も別のものです。派閥への参加が、会社で安心して働くための実質的な条件になっていないかを確認してください。

側近から届いた「情報操作したいときは、まず私に」という発言

伊藤氏の二面性は、過去に自分が言い寄られたと周囲へ語っていた渡辺会長と、瓜二つではないかと感じさせます。当組合は、伊藤氏自身が渡辺氏から言い寄られていると周囲へ話していた経緯を既に取り上げ、経営者との個人的な近さが、監督や人事にどう影響するかを問うてきました。

今回、伊藤氏の側近から伝えられたのは、その近さをさらに具体的な力として語る発言です。側近からの情報では、伊藤氏は常々、次のように話しているといいます。

あの人は私の言うことは必ず信じる。

あの人は最初に入った情報だけを信じるから、何か情報操作したいときはまずは私に言いなさい。

「事実を確認したいとき」ではなく、「情報操作したいとき」です。側近に対するこの説明は、相談を正確に取り次ぐという話ではありません。会長が最初に聞いたことを信じるという性質を前提に、自分が先に情報を入れれば、会社のトップの受け止め方を動かせると語っているのです。

この発言の重大性は、伊藤氏が会長に近いことを自慢したという点だけにはありません。従業員からの被害申告より先に、申告された側の説明が入り、その第一報が人事判断の土台になる構造を示唆している点にあります。本人の話を聞く前に、扱いづらい人、問題のある人、会社とは関係のない不調を訴える人という見方が作られていなかったかを調べる必要があります。

今回の女性の訴えが、どのような内容で誰に報告され、会社の「あなた自身の問題です」という回答につながったのか。伊藤氏についての申告が、伊藤氏の説明を経由しなければ会長へ届かない仕組みだったのか。実際の報告と決裁をたどれば、側近へ語られた力が、会社の判断でどう使われたかを確認できます。

最初に入れた情報で結論が決まるのであれば、それは迅速な経営判断ではなく、先に話した人が勝つ仕組みです。被害を訴える人が日時や経過を整理している間に、役員側がひと言で結論を入れてしまう。証拠の厚さより会長の耳への距離が優先される会社では、公正な調査はできません。

人事に関わり、側近を固め、会長に入る第一報まで自分が握ると説明する。その姿は、伊藤美和氏が「影の支配者」ではないかと受け止められても不思議ではない構図です。会社が否定するのであれば、肩書の説明ではなく、伊藤氏を通さずに被害申告と原資料が監督機関へ届く実際の経路を示してください。

「会長室管掌取締役」。会社の公開資料にも、情報が集まる会長室があります

伊藤氏は、従業員に向けた書面にも、堂々と「会長室管掌取締役」と記載しています。会長室を管掌する取締役という、なかなか念入りに会長との近さを感じさせる肩書です。会社の何を管理する役職なのかを尋ねると、まず会長のいる部屋の名前が返ってくる。その分かりやすさと分かりにくさが、今回の問題にも重なります。

当組合は、この担当について既に記事を公表し、会長個人の意向と、会社の利益が食い違った場合に、何を基準として判断するのかを問いかけています。今回の側近からの情報によって、その質問はさらに具体的になりました。会長へ届く情報を選ぶことが担当業務であるとしても、自分に不利な申告を排除することまで権限に含まれるのでしょうか。

会社の2025年11月27日付コーポレート・ガバナンス報告書では、各部門・主要子会社からの起案が会長室へ入り、会長室から取締役会へ上程し、承認後に経営企画室へ開示を依頼する経路が示されています。会長室は、来客と予定を管理するだけの部署として描かれているわけではありません。

ラストワンマイルの規模で、会長室をここまで会社の情報経路の中心へ置き、専属の管掌取締役まで名乗る。その仰々しさには思わず目を留めますが、今回は肩書を笑って終わる話ではありません。公表された情報経路と、側近へ語られた「情報操作」の話が重なるところに、会社として検証すべき問題があります。

取締役会へ上げる情報を扱う部署の担当者自身が、被害申告の対象になった場合、その情報はどこを通るのでしょうか。申告した本人の文章と、その内容を要約した報告の間に、何が加わり、何が落ちたのか。会長へ先に伝えられた評価と、本人の説明が食い違ったとき、誰が原資料へ戻るのか。そこまで示して初めて、情報管理の仕組みを説明したことになります。

立派な会長室があっても、育休から戻った一人の従業員が安心して働けず、相談も受け止められないのであれば、まず足りないのは部屋でも肩書でもありません。現場から届く不都合な事実を、そのまま経営判断へ載せる仕組みです。開示のための矢印を描く前に、苦情が途中で消えない道を整えてください。

伊藤氏が選び、伊藤氏側へ戻る相談経路で、伊藤氏を調べられますか

当組合は10月13日の声明でも、伊藤氏への性的被害申告に対応する窓口の人選に伊藤氏が関与し、もう一人の申告対象者である飯島有騎氏の直属の担当者が配置されたとする経緯を問題にしています。差出人の名前を替えることと、指示・承認する人物を替えることは違います。

今回の女性の相談についても、誰が受け付け、誰に報告し、誰が会社の問題ではないと判断したのかを調べてください。窓口の担当者が自分の判断で断ったのか、上からの指示に従ったのかでは、会社が是正すべき場所が変わります。回答を送った人の名前だけで調査を終えるべきではありません。

渡辺氏への情報を伊藤氏が操作できると側近へ語り、伊藤氏についての相談も伊藤氏側の経路へ戻る。そうした循環があったなら、会長が知らなかったという説明を聞くだけでは足りません。何が知らされず、誰が知らせず、会長自身が別の経路から確認する仕組みを持っていたかまで問われます。

「オカミのユニオン」の検察ユニオンは、渡辺氏が起訴状情報を入手し、他社への働きかけに利用しているとの通報を取り上げ、情報の取得元と利用を検証するよう求めています。社外に向けた情報の使い方が問われる一方、社内では、会長へ入る情報を誰が選んでいるかが問題になっています。会社には、両方を通じて、情報が事実確認のために使われているのか、相手を従わせるために使われているのかを点検していただきます。

JPXの不祥事対応のプリンシプルは、必要十分な調査範囲と適切な調査体制、独立役員による自浄作用を重視しています。本件では、伊藤氏の言動だけでなく、相談の処理、人事判断、会長への報告までを、関与者から独立して確認することが必要です。

取締役会と監査等委員会は、会長が最初に信じた説明を追認する機関ではありません。原資料を確認し、本人と周囲から個別に話を聞き、違いがあれば検証する。その仕事を、役員の好悪や側近への信頼で置き換えないでください。「あの人は私のいうことだけ聞く」という自慢が通用しない仕組みを作ることこそ、会社を守る統治です。

伊藤美和氏・渡辺誠氏・取締役会・監査等委員会への公開質問

ラストワンマイル労働組合は、今回の女性からの被害申告と、側近から伝えられた発言について、次の事項への回答を求めます。誰の説明を先に聞いたかではなく、何の資料と事実を確認したかを基準に、会社として判断してください。

  1. 伊藤氏は、育休から復帰した女性の腹部を凝視し、同行する従業員へ、本人にも聞こえるように「よく抜け抜けと出社出来るよね」と述べたという申告に、どう回答しますか。会社は、女性本人と発言を聞いた人から個別に事実確認を行いますか。
  2. 育児休業や有給休暇を利用する従業員への伊藤氏の言動について、過去に相談や指摘を受けたことはありますか。制度利用前後の評価、配置、周囲の対応と退職の経緯を、対象者ごとに調べますか。
  3. 女性が精神的な苦痛を相談した際、誰が相談を受け、誰に報告し、何を確認しましたか。「会社ではなくあなた自身の問題」とした判断者と根拠、その回答に至る指示・承認の経過を明らかにしてください。
  4. 女性が出社時に吐き気やめまいを感じ、退職へ至った経過について、会社はいつ把握し、どの対応を行いましたか。職場の言動との関係、就業上の配慮、必要な給付申請への協力を検討しましたか。
  5. 伊藤氏に近い従業員への取扱いと、意に沿わない従業員への取扱いについて、評価・配置・相談対応の基準に差がなかったかを調べますか。ゴルフ等の私的な活動での関係が、人事判断へ持ち込まれていないかを確認してください。
  6. 伊藤氏は、渡辺氏について「私のいうことだけは必ず聞く」「情報操作したいときはまずは私に」と側近へ述べているという情報に、どう回答しますか。従業員に関する報告の原文、要約、会長への説明、決裁に相違がないかを検証しますか。
  7. 「会長室管掌取締役」の正式な職務と、人事・相談対応・取締役会への報告に関する権限は何ですか。伊藤氏自身が申告対象となった場合、本人を経由せず監査等委員会へ原資料が届く経路を説明してください。
  8. 複数の性的被害申告、今回の育休復帰後の申告、現在の労災申請への対応を、関与者から独立した体制で検証しますか。窓口の担当者だけでなく、選任・指示・回答承認を行った者まで調査対象に含めてください。
  9. 事実確認の結果に応じ、被害者への謝罪、退職に至った不利益の回復や損害への対応、人事権限の見直し、役員としての責任の検証を、誰が決定しますか。相談者と協力者への報復を防ぐ措置も示してください。

退職者を増やして苦情を消すのではなく、働き続けられる会社へ変えてください

会社の持続可能な成長を考えるなら、育休を何人が取得したかだけでなく、戻ってきた人が安心して働き続けられたかを見なければなりません。制度を利用した人が退職へ追い込まれ、会社がその経緯を本人の問題として処理していたなら、会社は経験と能力を失うだけでなく、次に制度を使おうとする人の信頼も失います。

同様に、ハラスメントを断った人、相談した人、会社の説明に疑問を述べた人が辞めていけば、職場には異論が減ります。しかし、それは問題がなくなった証拠ではありません。意見を言える人がいなくなった結果を、管理職の統率力として評価する会社にしてはなりません。

  1. 今回の女性の申告と既存の被害申告を、本人ごとの経過を守って独立調査してください。復職時の言動、周囲の対応、相談処理、退職、人事判断を連続して確認し、関与した役員・管理職だけで結論を決めないでください。
  2. 申告対象者による相談担当者の選任、申告内容の加工、対応の指示・承認を点検し、必要な見直しを行ってください。調査中も相談者の健康と安全を守り、接触回避や就業上の配慮を、本人へ一方的な不利益を負わせない方法で実施してください。
  3. 復職、評価、配置、面談、退職、相談記録と、会長室を経由した報告・決裁の記録を保全してください。原文と要約、最初の説明と後の修正を照合できる状態を維持し、証言をそろえるような働きかけを防いでください。
  4. 会社や役員の行為に問題が確認された場合は、本人の意向を踏まえて謝罪、不利益の回復、損害への対応を進めてください。退職した人の相談も受け付け、給付申請や必要な資料の提供を会社の責任否定と引き換えにしないでください。
  5. 育休や有休、ハラスメント相談、労災申請を利用したことが不利益につながらない運用を徹底してください。役員への研修だけで終えず、相談後の扱いと人事判断を継続して点検し、改善が実際に機能しているかを確認してください。

同じような経験がある方は、制度を利用した時期、復職後に受けた言動、周囲の対応、体調の変化、会社へ相談した内容と回答を整理してください。自分が直接経験したことと、周囲から聞いたことを分け、当時のメールや業務・人事の記録を原形のまま残すことが重要です。無理に記憶を埋めたり、他の人と同じ説明にそろえたりする必要はありません。

退職した方についても、退職届に記載された理由だけでなく、そこへ至るまでに何があったかを記録してください。本人の意向と具体的な経過に応じて、職場対応の検証、損害賠償等の請求、労災保険などの手続を、それぞれの要件と期間を確認しながら検討できます。

会社で相談を受け止めてもらえない場合は、厚生労働省「あかるい職場応援団」の相談窓口案内から、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)等を確認できます。当組合も、会社の中で何が起きたかを明らかにし、労働者が権利を主張したためにさらに追い込まれることのない対応を求めていきます。

「管掌」「鑑賞」「干渉」。取締役としての仕事へ戻るよう、当組合は「勧奨」します

男性からの性的被害の申告に続き、育休から復帰した女性の苦情、体調悪化と退職、相談を本人の問題として切り捨てたという対応が明らかになりました。そこへ、側近に語る会長への情報操作と、公表資料にも置かれた会長室の権限が重なっています。伊藤氏の好みに合うかどうかが、会社で守られるかどうかを左右する構造を、そのままにしてよいのでしょうか。

会社へ戻った女性に必要だったのは、腹部を値踏みするような視線でも、聞こえるように放たれる嫌味でもありません。働き続けるための環境です。役員の側近になることではなく、労働者として会社と契約していることが、その環境を求める根拠です。

こんな伊藤美和氏ですが、本当に会長室を「管掌」するのが仕事なのでしょうか。今なお「悪事のオンパレード」と呼びたくなるほど新たな問題が指摘され、縦横無尽に飛び回る渡辺「怪鳥」を、ただ「鑑賞」するのが仕事なのでしょうか。

それとも、意中の男性の股間に「干渉」し続け、制度を利用した女性の復職にまで私的な好き嫌いで介入するのが仕事なのでしょうか。会長の耳に入れる情報には熱心でも、被害を訴える従業員の声には耳を貸さない。そのような役割を、会社が取締役に期待しているはずはありません。

労働組合の本分は、労働者の労働環境を向上させ、雇用、生活、健康、尊厳と福祉を守ることにあります。その労働環境へ直接害を及ぼす行為を指摘されている伊藤美和氏については、当組合も、人事権を振るう取締役としてあるべき姿になっていただけるよう、これからもしっかり「勧奨」していきたいと思います。従業員を会社から追い出すための勧奨ではなく、ハラスメントと私物化を会社から退場させるための勧奨です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次