【ラストワンマイル労働組合】東芝の報告書が問う「上司に逆らえない職場」。渡辺誠氏の発言に幹部は異議を述べられますか?

会議で反対意見が出なかったことは、出席者全員が納得していたことの証明でしょうか。それとも、反対すると自分が不利益を受けると感じ、言葉を飲み込んでいたのでしょうか。この違いを確認できるかどうかに、会社の監督機能が表れます。

ラストワンマイルの幹部からは、渡辺誠氏による元役員等への対応の説明を聞き、自分も退職後に攻撃されるのではないかという不安が当組合へ伝えられています。本人から職場環境改善の申入れがあった以上、問われるのは、現在働く人が安心して異議や不安を述べられる会社なのかという点です。

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東芝の報告書は、規則の外側にある企業風土を指摘しました

東芝が2015年7月21日に公表した第三者委員会報告書は、不適切会計の背景として、上司の意向に逆らえない企業風土を指摘しています。また、内部通報の仕組みがありながら、問題を把握するために十分活用されていなかった点も取り上げています。

制度が紙の上に存在することと、実際に使えることは別です。違和感を持った人が声を出せず、声を出した人が自分の将来を心配するのであれば、組織は問題を早く把握する機会を失います。東芝の事例から今回確認すべきなのは、会計不正の同一性ではなく、異論を受け止める仕組みの実効性です。

幹部本人が求めているのは、経営者との対決ではなく職場の改善です

当組合へ寄せられた幹部本人の申入れでは、渡辺氏が元役員等に対し「自分が仕掛けた」という趣旨の話をしていたとされています。その説明から、自分も辞めた後に同じ扱いを受けるのではないかという不安が生じ、精神疾患を発症したとの申告もありました。

会社が行うべきことは、まず発言内容と経緯を正確に確認し、本人の心身の状況に配慮しながら、業務上の必要性と伝え方を検証することです。健康上の影響を調べることと、本人の不安を否定して申入れを終わらせることは違います。

当組合は、渡辺氏の説明、監査等委員会が確認した事実、会社の判断を区別するよう求めています。元役員に対して正当な対応を取る必要があるとしても、それを現役の幹部が退職後まで恐怖を抱く形で伝える必要があるのかは、別に検証しなければなりません。

相談窓口の存在より、相談後の扱いを確認してください

厚生労働省の職場のハラスメントに関する指針は、相談への適切な対応、事実関係の迅速・正確な確認、関係者のプライバシー保護、相談等を理由とする不利益取扱いの防止を求めています。相談が寄せられた後に何をするかまでが、会社の対応です。

今回、渡辺氏自身の言動が確認対象となる以上、本人の同席下で幹部に説明を求めたり、関係者を集めて一つの説明へまとめたりする方法では、率直な話を聞けるとは限りません。監査等委員会には、発言者から独立した経路で、個別の認識を確認するよう求めます。

幹部であっても、経営者の言動に不安を抱くことはあります。役職が付いていることを、健康への配慮や相談の必要性を軽視する理由にしないでください。「幹部なのだから耐えてほしい」という返答で済ませるのであれば、問題を把握する機能まで幹部の我慢に依存することになります。

取締役会と監査等委員会への公開質問

  1. 渡辺氏の発言について、本人と出席者から別々に事実確認を行う担当者は誰ですか。発言の業務上の目的、態様及び職場への影響を、どのように確認しますか。
  2. 相談したことや調査への協力を理由に、不利益を受けないことを役職員へ周知していますか。その後の人事・業務上の扱いを誰が確認しますか。
  3. 健康上の問題を申し出た者に、本人の意向に沿った相談、就業上の配慮及び産業保健上の支援を提供していますか。
  4. 経営者への異論や事実の訂正が必要な場合に、本人へ直接対面して申し出る方法以外の、実効的な経路を確保していますか。

当組合は、声を上げた人が安心できる対応を求めます

  1. 監査等委員会を中心に独立した確認体制を設け、発言者の評価と、出席者が実際に聞き受け止めた内容を区別して調べてください。
  2. 相談者の意向を尊重し、不要な情報共有や直接対面を避けながら、心身の負担を減らす当面の措置を進めてください。
  3. 調査結果を会議運営、経営者の発言、相談制度及び人事上の取扱いの改善へ反映し、実施後の状況も確認してください。

静かな会議室が、健全な会社とは限りません

不安を感じている方は、発言の日時、内容、前後の経緯、自分が直接聞いたことを分けて記録してください。社内で相談しにくい場合は、当組合への相談に加え、厚生労働省「あかるい職場応援団」の相談窓口案内から、労働局等の相談先を確認できます。

異論のない会議と、異論を言えない会議は違います。渡辺氏の説明を聞いた幹部が、退職後まで不利益を恐れているという申入れに対し、会社はその違いを調べてください。拍手の数より、安心して反対意見を言える経路の方が、会社を守ります。

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