【ラストワンマイル労働組合】「調査しました」で終わらせない。渡辺誠氏と監査等委員会に求める回答の中身

会社への問い合わせに「適切に対応します」と回答することは簡単です。しかし、何を確認し、誰の説明を採用し、どの資料と照合したかが分からなければ、問題への対応を確かめることはできません。

ラストワンマイル労働組合が、幹部本人からの職場環境改善の申入れを受けて求めているのも、定型文の返送ではありません。渡辺誠氏の発言内容、その根拠、会社の調査・報告・開示判断、そして現在の職場への対応について、確認できる説明を求めています。

目次

会社の回答は、三つの説明を分けて示す必要があります

当組合は、取締役会及び監査等委員会への正式な申入れを会社の問い合わせフォームから送信し、その内容を公表しています。そこで求めたのは、渡辺氏本人の説明、監査等委員会が確認した事実、取締役会としての判断を区別することです。

渡辺氏が「そのような意味では話していない」と説明したとしても、それだけで出席者が聞いた内容や職場への影響が確認されたことにはなりません。反対に、出席者の受け止めだけで実際の発言を確定させず、双方の説明と会議資料等を照合する必要があります。

会社として示される回答を検証する際には、結論の強さより、その結論へ至る作業を確認します。会社の便箋や担当部署名が付いていても、中身が検証対象者の説明の繰り返しであれば、独立した確認とはいえません。

委員会という名称より、調査の範囲と独立性です

JPXの「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」は、必要十分な調査範囲、適切な調査体制、調査の独立性・中立性を重視しています。第三者委員会という名称だけで十分な調査が行われたかのように扱うことにも、注意を促しています。

今回であれば、元役員に関する渡辺氏の説明だけを確認するのか、幹部が不安を抱いた発言の態様まで調べるのかで、調査の意味は変わります。さらに、会社取引、国税調査、馬見塚メモ、上場審査への説明をどこまで関連付けて検証するかも重要です。

調査から外した事項がある場合は、その理由を示してください。元役員に関係する部分だけを調べ、同じ資料に登場する現経営陣の行為を調べないのであれば、その選別自体が検証対象になります。

原資料へたどり着ける回答かを確認します

例えば「開示は不要と判断した」という回答には、判断した日、判断者、把握していた事実、確認資料、適用した基準が必要です。「監査法人へ説明した」という回答であれば、何を伝え、どのような協議をしたのかを示してください。

「調査中」であれば、調査主体、対象範囲、保存した資料、当面の職場環境改善策、次の報告予定を示すことができます。全ての結論が出るまで説明できない事項と、今でも説明できる調査の進め方を、分けていただきたいと思います。

また、東証の公式説明では、上場規程第415条に基づく照会が行われた場合、会社には正確な報告が求められ、必要に応じて調査と結果報告も求められます。調査の範囲や体制が不十分な場合も想定されています。当組合の申入れにこの権限があるわけではありませんが、上場管理上の照会に耐えられる説明を会社が準備する必要性は、別途問われます。

回答を作成する取締役会・監査等委員会への公開質問

  1. 渡辺氏の説明と、出席者への聞き取りや会社資料から確認された内容を区別し、一致しない事項も記録していますか。
  2. 調査から外した人物、取引、期間又は資料はありますか。対象外とした理由を、誰が独立した立場で確認しましたか。
  3. 会社が採用した事実認定について、それに反する資料や説明も検討しましたか。判断を変更した場合、その変更理由は記録されていますか。
  4. 開示不要、会社と無関係、問題なし等の結論を示す場合、確認した範囲と、その結論を支える資料を説明できますか。

当組合は、検証可能な回答と具体的な改善を求めます

  1. 各照会事項に対応する形で、確認した事実、未確認事項、判断、対応及びその根拠を示してください。
  2. 個人情報等の保護が必要な場合も、調査範囲、判断主体、会社としての結論及び是正方針まで一律に説明対象外としないでください。
  3. 回答書の作成だけで対応を終えず、職場環境、情報管理、調査体制及び開示判断に必要な改善を行い、その実施状況を示してください。

「適切」という言葉の数では、調査の深さは分かりません

組合員の皆さまには、会社の説明を読む際、結論だけでなく、何が質問され、何が回答されているかに注目していただきたいと思います。日時を尋ねたのに方針だけが返されていないか、資料を尋ねたのに本人の説明だけが示されていないか。対応関係を確認することで、残された論点が明確になります。

当組合が求めるのは、長い回答ではなく、確かめられる回答です。「適切」「十分」「慎重」という言葉を増やすより、確認した資料と判断した責任者を示してください。会社の回答書は、形容詞の多さではなく、質問に答えているかで読みます。

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