【ラストワンマイル労働組合】返事は届く、答えは届かない。労災隠し・担当者選任・経営責任を問う

前回、従業員本人の療養と給付申請への協力を求めたところ、会社から届いたのは、組合の名簿や収支計算書を本人に要求する長い説明でした。その後、10月13日に新たな担当者から休職と傷病手当金の案内が届きましたが、本人が明示している労災申請への対応は、今回も記載されていません。

しかも、本人が繰り返し指定した組合への同時送信は行われず、またしても本人だけへの連絡です。担当者は交代しても、核心に答えないことと、本人に転送の手間をかけさせることは、きれいに引き継がれているようです。

目次

「労災を優先」は、難解な法律用語ではありません

本人の請求書は、第3項で労災申請への協力、第4項で傷病手当金の並行手続を求めています。労災認定を待つ間の生活を守るための手続であり、業務起因性の主張を撤回しないことまで書いています。「両方を求める」という文章に対して、片方だけを案内しても、両方に答えたことにはなりません。

読んでいないのか、理解できなかったのか、理解した上で外したのか。最後の理由であっても、「労災への回答はどこですか」と指摘されることは、送信前に分かったはずです。回避できているのではなく、回答していない記録を会社自身が増やしているだけです。

他者の組合資格について長く論じる前に、自社の従業員が丁寧に書いた簡潔な文書を、正確に読むところから始めていただきたいものです。療養中の従業員が、経営陣や幹部のために同じ文章を何度も説明し直すことまで、手続に含まれているのでしょうか。

担当者の名札を変えても、指揮命令系統は変わりません

本件では、伊藤美和取締役による長期間の股間の凝視等の性的被害と、飯島有騎人事総務部長による威圧的な追及を問題にしています。従業員の私生活上の問題には繰り返し説明を求める一方、人事側の言動を誰が止め、誰が調べるのか。この点は、既に過去記事でも問いかけています。

当組合が把握する今回の選任経緯では、伊藤氏が人選に関与し、飯島氏の直属の担当者が配置されています。申告対象者から独立した対応を求めたのに、その当事者が選び、当事者の指揮命令系統に置かれた担当者を示す。それで何が独立したのでしょうか。

問題は、メールの差出人欄に誰の名前が表示されるかではありません。誰が指示し、誰が回答を承認し、誰が本人の医療情報を受け取るのかです。本人の希望や病状を確認せず、行為者側が選んだ体制を示して「安心して療養に専念してください」と結んでも、挨拶文だけで安心は生まれません。

労災隠しと経営責任は、事務案内では片付きません

当組合は、多数の情報提供を通じて把握している労災隠しについても、全容の解明、是正及び適時開示を求めています。今回のメールだけから問題を推測しているのではありません。会社が保有する記録を照合し、誰が把握し、誰が指示し、誰が報告や対応を止めたのかを明らかにするよう要求するものです。

伊藤氏に関する被害申告を一人の役員の問題にとどめず、渡辺誠氏を中心とする経営統治、独立した調査、会社の開示判断として検証することも、既に求めています。担当者の紹介と一般的な手続案内によって、これらの質問や回答期限への対応が白紙に戻るわけではありません。

他者には説明を迫り、自らの関与や判断過程については説明を避ける。この構図は、別媒体「オカミのユニオン」の検察ユニオンも、ラストワンマイルと渡辺氏らを取り上げた記事で問題にしています。問う側に立つときだけ厳格で、問われる側になると急に話が進まなくなる。説明責任を、相手によって使い分けることはできません。

関連記事(検察ユニオン):鹿児島地検・熊本国税、ラストワンマイル、渡辺誠氏、中野爵喜被告をめぐる“組織的黙秘”を許すな

当組合の抗議・是正要求文を公開します

以下に、個人情報の保護に配慮した上で、経営陣及び監督機関に向けた当組合の抗議・是正要求文を掲載します。労災隠しへの対応、担当者選任の経緯、本人の共有同意を無視した連絡、会社回答の確認・承認体制を問い、是正と適時開示を求める内容です。

当組合が求めているのは、返信の通数でも、結びの挨拶の丁寧さでもありません。書かれた内容を読み、問われた事項に答え、必要な対応を実行することです。上場会社の経営陣に、そこから説明しなければならない現状を、文書とともにご確認ください。

労災隠しに関する適時開示、ハラスメント対応体制の是正及び経営陣による回答の確認・承認について

各位

ラストワンマイル労働組合です。

当該組合員に送付された10月13日付のメール及び、それに対する本人の返信を確認しました。

本人の個別の請求については、本人が明示した内容に沿って回答してください。当組合からは、それとは別に、今回の回答に表れている経営・管理上の問題、当組合が把握している労災隠し、並びにハラスメントの申告対象者が関与する対応体制について、以下のとおり抗議し、是正と説明を求めます。

1.まず、従業員が提出した文書を、書かれているとおりに確認してください

当該組合員の申入れは、労災を優先し、その認定を待つ間の生活を守るために傷病手当金も並行して手続する、というものです。本人の請求書は、第3項で労災、第4項で傷病手当金を分けて記載し、業務起因性に関する主張を撤回しないことまで明示しています。

「一方を優先すること」と「他方も並行して進めること」は、専門的な法律解釈を経なければ理解できない関係ではありません。「両方を求めている」という文章から、一方だけを取り出しても、両方に回答したことにはなりません。これは法解釈以前の、文章に書かれている内容を読み取るという、ごく初歩的な問題です。

それにもかかわらず、今回の回答では、中心となる労災への対応だけが抜け落ちています。提出文書を読んでいないのでしょうか。読んでも意味を理解できなかったのでしょうか。それとも、理解した上で、意図的に回答対象から外したのでしょうか。

いずれであるのか、回答の作成者及び確認・承認者において、具体的に説明してください。

仮に意図的に外したのであれば、次に「労災についての回答はどこですか」と指摘されることは、送信前に容易に予見できたはずです。それで問題を処理できると判断したのであれば、その判断自体に疑問があります。回答を回避できているのではなく、明示された請求に答えていない経過を、会社自身の文書として残しているだけです。

当該組合員は、貴社の現従業員です。しかも、休養と治療を必要とする状態にありながら、会社側が確認しやすいよう、請求の主体、趣旨、項目、連絡方法を、簡潔かつ丁寧に整理して提出しています。

そのような従業員からの文書でさえ、核心部分を正確に把握できず、本人に同じ説明を繰り返させるのであれば、経営陣及び幹部による文書の確認、担当部署への引継ぎ、回答の承認という基礎的な業務が機能しているのか、深刻な懸念を抱かざるを得ません。

療養中の従業員が、会社幹部のために同じ文章を何度も説明し直すことまで、手続の一部なのでしょうか。従業員には詳細な説明を求める一方、その従業員が丁寧に書いた説明は正確に扱わないという対応では、説明責任を求める側の前提が整っていません。

これまでの上申書及び照会で示した核心的な問題について、項目に対応した具体的な回答が示されていないことも、同じ理由によるのでしょうか。回答したくないのか、それとも回答したくても、質問の内容を把握する段階で止まっているのか。現状の対応では、その区別すらつきません。

他者の資格や適格性について長い説明を行う前に、まず自社に届いた文書を正確に読み、その問いに対応した回答を作成・承認できる体制を示してください。これは担当者個人だけではなく、その対応を指示し、確認し、承認する経営陣及び幹部の職責に関わる問題です。

2.当組合が把握している労災隠しについて、是正及び適時開示を求めます

当組合は、貴社においてこれまで労災隠しが行われてきたことを、多数の情報提供を通じて把握しています。今回の一通のメールだけを見て、初めて可能性を指摘しているのではありません。

今回の問題を、担当者による単発の案内漏れとして処理するだけでは不十分です。過去からの労災隠しと、事故・疾病の申告を受けた後の会社の判断、報告、記録及び人事上の処理について、組織的な運用として検証する必要があります。

対象となる事案及び期間、関与した部署・役職者、経営陣が把握した時期、処理方針を指示・承認した者、法定報告の履行状況を明らかにしてください。事故・疾病の申告、社内報告、勤怠記録、労働者死傷病報告その他の関係資料を照合し、必要な報告・訂正及び被害回復を速やかに進めてください。

当組合が求めているのは、会社が行ってきた処理と、その意思決定の検証です。情報提供者の特定を調査の出発点にしたり、情報提供者の氏名や特定につながる資料の提出を、回答の条件にしたりすることは認めません。会社が自ら保有する記録と、自ら行った判断から調べるべきです。

当組合は、この労災隠しの実態、経営・人事部門の関与及び内部管理体制上の問題について、適時開示を求めます。現時点で把握している事実、調査主体、調査範囲、是正措置及び今後の予定を明らかにしてください。

取引所の適時開示基準に照らし、開示すべき重要な事実を、調査中であるという一言で先送りしないでください。開示しないと判断するのであれば、判断者、判断日、判断に用いた事実及び適用した基準を明示し、開示不要とする具体的な理由を回答してください。

従業員の欠席や水道トラブルについては繰り返し説明を求めながら、会社自身による労災隠しについては「確認中」で済ませるのであれば、貴社が厳格に管理しているのは法令順守ではなく、説明を求める相手の選別ということになります。

当該組合員だけの問題に矮小化せず、過去の事案を含めた全容と、これを許してきた管理体制を明らかにしてください。開示及び情報共有に当たっては、被害者や情報提供者の氏名、連絡先、公開に不要な医療情報を保護してください。

3.申告対象者が関与して選任した担当者を、本人保護のための体制と説明する根拠を示してください

本件では、取締役の伊藤美和氏による長期間の股間の凝視等のセクシュアルハラスメントと、人事総務部長の飯島有騎氏による威圧的な追及が問題となっています。

当組合が把握しているところでは、今回の担当者選任には、その伊藤氏が役員会を通じて関与し、飯島氏の直属にある女性課長の佐藤愛加氏が、新たな担当責任者として指定されています。

当組合は、被害を生じさせた当事者から独立した調査と、本人の病状に配慮した対応を求めてきました。その要求に対し、申告対象者が人選に関与し、別の申告対象者の直属の担当者を配置するというのは、どのような検討を経た判断なのでしょうか。

直接メールを送る人物の名前が変われば、指示・承認・報告の系統が同じでも独立性が確保されたことになる、とお考えなのでしょうか。名札の変更と、対応体制の是正は別の話です。

女性である伊藤氏から性的な身体部位を執拗に凝視されたという被害を申告している本人に対し、安心して対応できる担当者の条件や、性別を含む本人の希望を確認せず、伊藤氏が選任に関与した飯島氏直属の女性社員を一方的に指定した理由を説明してください。

伊藤氏による当てつけや報復として、この人選が行われたのでしょうか。本人に被害体験を想起させ、病状を悪化させる意図があるのでしょうか。そうではないのであれば、本人の被害内容と病状をどのように検討し、この体制が本人の安心と回復につながると判断したのかを示してください。

ここで問題となるのは、担当者の性別だけではなく、性的被害を訴えた本人の意向を確認しないまま、申告対象者が関与する指揮命令系統から対応を続けることです。

伊藤氏が表向きの窓口から外れただけで、別の従業員を通じて本人への対応を指示し、従前の圧力を及ぼし続けるのであれば、股間凝視に端を発する性的被害を、組織上の権限を介して間接的に継続させる二次被害として、当組合は問題にします。

今回の選任を提案・指示・承認した者、役員会等での検討内容、佐藤氏に対する指示者・承認者・報告先を、記録に基づいて明らかにしてください。伊藤氏及び飯島氏が、本人への回答内容、事実確認、医療情報の取得・共有について、どこまで関与できるのかも回答してください。

必要な事務処理を止めることなく、ハラスメントの調査、本人保護の判断及び本人への対応を、申告対象者が左右できない体制を確保してください。

被害者の意向を確認せず、行為者側が選んだ体制を一方的に示して「安心して療養に専念してください」と述べても、安心は生まれません。安心できるかどうかを、本人を追い詰めた側だけで決めないでください。

4.本人の共有同意と連絡方法を、担当者変更のたびに無かったことにしないでください

今回も、当該組合員本人にだけメールが送付され、当組合への同時送信は行われていません。

本人は、自分自身の意思として、本人と当組合への同時送信を指定し、本件に必要な範囲の情報共有にも明示的に同意しています。組合だけの指示ではないことも、既に説明済みです。

それにもかかわらず、担当者が変わるたびに本人が同じ指定を説明し直し、会社が外した連絡先へ転送し、経緯を取り次がなければならないのであれば、それは引継ぎではなく、引継ぎの不備を療養中の本人に補わせている状態です。

本人の負担を減らすための連絡方法を指定されているのに、その指定を無視することで新たな負担を生じさせています。「療養に専念していただけるよう」という文末の挨拶と、実際の業務処理が反対を向いています。

今回、本人だけを送信先としたのは、佐藤氏自身の判断なのか、上司又は役員からの指示なのかを明らかにしてください。指示があった場合は、指示者、指示日及び理由を回答してください。本人の共有同意が引き継がれていなかったのであれば、引継ぎを担当した者と確認を行った者を明らかにしてください。

本人が指定した共有範囲について具体的な確認事項があるなら、その事項を示せば足ります。既に示された本人の意思を参照せず、毎回同じ説明を求める必要はありません。

今後は、本人が指定した範囲で、本人と当組合の両方に、同じ本文及び添付資料を電子メールで送信してください。

5.担当者の事務案内ではなく、経営及び監督機関として回答してください

今回のメールに、担当者の指定、休職及び傷病手当金の事務案内が含まれていることは確認しています。しかし、それによって、上申書及びこれまでの照会で求めている、関与者の責任、独立した調査、労災隠し、内部管理体制その他の問題に回答したことにはなりません。

当組合は、何も返事が来ていないという形式的な話をしているのではありません。返事は来ているのに、問われた核心に答えていないという、内容の問題を指摘しています。

従業員に対しては、誰が、いつ、何をしたのかを繰り返し問いながら、会社自身の対応について同じことを問われると、担当者紹介と一般的な手続案内に戻る。その繰り返しでは、説明責任を果たしたことにはなりません。

取締役会、監査等委員会及び利害関係のない社外取締役等において、提出文書と会社回答を項目ごとに対照し、何に答え、何に答えていないのかを確認してください。回答漏れの原因、確認・承認の経過及び是正責任者も明らかにしてください。

労災隠しに関する資料、役員会等の記録、担当者選任に関するメール・チャット、指示・承認・報告の記録及び本人への連絡内容は、削除・改変されない状態で保全してください。調査対象者自身に調査範囲や結論を決めさせず、必要に応じて外部専門家を起用し、独立した検証を実施してください。

既提出書面で求めた回答期限は維持します。期限を経過した事項には速やかに回答し、期限が未到来の事項については当初の期限内に対応してください。確認に時間を要する事項も、確認できた部分を先に回答し、残る項目について、調査主体、未回答の理由及び回答予定日を具体的に示してください。

今回の担当者変更や事務案内を理由として、従前の未回答事項を消したり、回答期限を改めて数え直したりすることには同意しません。

当組合が求めているのは、さらに長い説明文でも、丁寧な結びの挨拶でもありません。問われた事項を正確に把握し、確認した事実と根拠を示し、必要な是正を行うことです。

休養を要する従業員に会社側の理解不足や引継ぎの不備を補わせるのではなく、経営陣及び幹部が、自ら受け取った文書と自ら発信する回答に責任を持ってください。

以上、経営及び監督機関としての具体的な回答、対応体制の是正並びに適時開示を求めます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次