渡辺誠氏の有料脱税指南による、役員・従業員への勧誘と、真子裕史氏が担った実務を追及します
実際には発生していない損失を使って税金を減らす方法を勧め、その指南に対して報酬を要求する。ラストワンマイル労働組合が把握しているのは、経営者が自分の申告をどう処理したかという話だけではありません。他人を不正な申告へ誘い、その提案自体を自身への報酬につなげようとしていたという、さらに重大な問題です。
当組合は数か月前から、上場直後のラストワンマイル役員らの株式売却益について、上場責任者で公認会計士の齊藤悟志氏が、渡辺誠氏の指導の下で脱税を指南していたとの情報を確認していました。今回、新たに整理した情報では、エンジェル税制をめぐる渡辺氏・中野爵喜氏・齊藤氏の三人による指南にも、渡辺氏が二人を外して別に売り込んだ外貨両替の端数を使う方法にも、報酬の要求が伴っていました。
しかも、対象は役員だけではありません。他の従業員にも直接指南し、株式売却益のない従業員にまで武勇伝として語っていました。端数を使う方法については、明確に拒否して渡辺氏を叱った役員がごく一部にいた一方、言葉巧みに信じ込まされ、応じてしまった役員が複数存在します。当組合は、今回の仕組みの実務に真子裕史氏が関与していたことも確認しています。勧誘した者、実務を動かした者、報酬を要求した者の責任を、切り離さずに追及します。
三人で進めたエンジェル税制の指南と、渡辺誠氏が二人を外した別口の営業
今回の問題を理解するためには、二つの経路を分けて見る必要があります。一つは、渡辺氏、中野氏、齊藤氏の三人が関わったエンジェル税制をめぐる指南です。もう一つは、同じ時期に渡辺氏が中野氏と齊藤氏を外し、独自に役員らへ勧めていた、外貨両替時の端数を使った脱税スキームです。
当組合が今回把握した重要な共通点は、いずれも、指南した相手に報酬を要求していたことです。会社の仲間に知っている制度を紹介したという範囲ではなく、税負担を減らす方法を売り込み、その方法を教える側が対価を求める関係になっていました。役員らが上場によって得た利益が、別の営業の対象になっていたということです。
エンジェル税制そのものは、国が設けた税制上の特例措置です。国税庁の制度案内にも、対象となる企業、投資、適用のための要件が示されています。その制度の利用を説明することと、制度の名前を使って不正な申告を指南することは、行われた取引と説明によって評価されます。
当組合が追及しているのは、三人が制度をめぐって何を指南し、どの実務を行い、その対価として誰に何を要求していたかです。過去の記事でも、中野氏の実務と、齊藤氏による専門家としての説明が、出資や申告へ至る過程でどのように使われたかを取り上げてきました。
その一方で、渡辺氏は、二人と一緒に進めていた話とは別に、自分だけの営業として端数スキームを持ち込んでいました。仲間と役員らへ提案していた人物が、その仲間を外して、同じ相手へ別の方法まで売り込んでいたという構図です。外へ向けて一つの体制に見えていても、内側では別口の商売を進めていたことになります。
会社の上場によって生じた利益を、役員の適正な申告へつなげるのではなく、自分たちの指南料を求める機会へ変えていた。この視点を入れると、今回の問題は単なる税務知識の誤りではなく、会社で築いた信用と人間関係を使った有料の勧誘として見えてきます。上場の成果を得た人の隣に、さらに取り分を求める人が待っていたということです。
外貨両替時の端数を使い、実際にはない損失を申告へ持ち込む仕組みです
今回の端数スキームは、ルーブルなど円換算の単価が低い外貨を利用し、円と外貨の交換を大量に繰り返すものです。その際の1円未満の端数処理に着目し、実際の資産減少を超える損失を計算上積み上げ、年間数億円規模の為替差損を申告に使うことを狙っていました。
証券会社が発行する取引報告書等を根拠に、実際には発生していない損失まで、本当に生じた損失であるかのように扱わせる。手元の資産をその金額ほど減らさず、申告上の損失だけを膨らませて税金を減らそうとする、悪意を持って税務署を騙す方法です。証券会社の書類の信用を、不正な申告をもっともらしく見せるために利用する点にも悪質性があります。
当組合が把握するのは、正規の優遇制度の適用を相談した話ではなく、実態のない損失を使って納税を免れるための指南です。そして、その方法を勧めた側は報酬を要求していました。架空にするのは申告へ入れる損失であり、架空にしないのは自分たちへの報酬の要求です。細かな端数を扱う話でも、その目的まで小さな問題になるわけではありません。
齊藤悟志氏が怒ったのは、違法性より「自分だけ別の営業をしている」ことでした
渡辺氏が別口の方法を役員らへ勧めていたことに対し、齊藤氏は、自分だけ他の方法まで営業していてずるいという趣旨を周囲へ述べ、渡辺氏を非難していたとの情報が入っています。今回の報酬要求という事情を踏まえると、この発言は、何について不満を抱いていたかを考えるうえで、極めて重要です。
存在しない損失を作る提案を知った専門家であれば、まず相手にやめるよう求め、既に勧誘された人へ必要な説明をすることが期待されます。ところが、伝えられている抗議は、渡辺氏が自分だけ別の営業をしているという点へ向けられています。納税の適正さではなく、営業上の公平が争点になっていたというのです。
報酬を要求する指南が行われていた以上、この対立を単なる仲間に向けられた影の不満として流すことはできません。誰が顧客を紹介し、誰が説明し、誰が実務を担当し、その結果、誰が対価を求める約束だったのか。渡辺氏の独自行動によって、齊藤氏がどの部分を不公平だと考えたのかまで、説明していただく必要があります。
公認会計士法第1条は、公認会計士の使命を次のように定めています。
公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
日本公認会計士協会の解説でも、財務情報の信頼性を確保する役割が示されています。損失の実在性を問うべき専門家が、自分の営業の外で別の商品を売られたことへ抗議していたのであれば、その職責との落差は小さくありません。
齊藤氏には、端数スキームを知った後、何を確認し、誰へ不満を口にしたか、を回答していただきたいと思います。渡辺氏へ不満を述べる行動力があったのであれば、その行動力を、不正な申告へ向かう役員や従業員を止めるために使ったかも問われます。
不正な数字を見つけるための警報器が、いつの間にか、自分の営業先へ別の商品を持ち込まれたことを知らせる警報器へ変わっていないでしょうか。公認会計士の肩書を掲げる以上、守るべきなのは自分の商圏だけではありません。架空の損失より、仲間の抜け駆けの方が気になるという優先順位では、誰の利益を守る専門家なのかが問われます。
ごく一部の役員は拒否して叱責し、複数の役員は信じ込まされて応じていました
今回の端数スキームに対して、役員全員が同じ対応を取ったわけではありません。当組合が把握する中には、明確に拒否し、渡辺氏を叱った役員がごく一部にいました。制度としての根拠を持つエンジェル税制とは違い、実際にはない損失を申告へ使わせる方法であることを問題にし、その場で一線を引いた人がいたということです。
一方で、渡辺氏の言葉に巧みに信じ込まされ、提案に応じてしまった役員が複数存在します。今回の重大性は、違法な方法を思い付いた人が一人いたという段階を超え、その説明が社内の役員に届き、実際に応じる人を生んでいたことです。止める側にいるべき役員が、提案を受ける側にもなっていました。
拒否して叱った役員がいたことは、渡辺氏に対して異議が示されたという具体的な経緯です。その指摘を受けて、渡辺氏は何を説明し、提案をどう扱い、その後も誰への勧誘を続けたのでしょうか。批判を受けた後の行動まで確認することで、単なる誤認だったという説明で済むのかを検証できます。
応じた役員については、どの説明を受け、何を信じ、どの段階まで進めたのかを個別に確認する必要があります。勧誘を承諾したこと、取引を行ったこと、申告書を作ったこと、実際に申告したことは、それぞれ記録に残る別の行為です。各人が何を知っていたかと、実際に何をしたかを対応させて調べてください。
ここで最も避けなければならないのは、勧誘した側が、最後に申告書へ名前を書いた人だけを前へ出すことです。言葉巧みに信じ込ませ、方法を用意し、実務を進め、報酬を要求したという経緯があるなら、その前段階を消して、本人が選んだ申告だったと整理することはできません。
拒否した役員の存在を、会社全体が適切に対応していたことの証明として使うこともできません。その人が断った後、他の人への勧誘は止まったのか、会社の監督機関へ報告されたのか、既に応じた人へ説明が行われたのかが残ります。一人が止めようとした事実と、組織として止められたかは、別に確認すべき問題です。
会社の自浄作用は、断れる役員が一人でもいたことを表彰して終わるものではありません。その拒否を、勧誘の停止、事実確認、被害拡大の防止へつなげられたかが問われます。少数の役員の良識に、会社全体の統治を肩代わりさせないでください。
役員だけでなく従業員にも直接指南。売却益のない社員にまで武勇伝を聞かせていました
今回の情報で、労働組合として特に重く受け止めているのは、指南の対象が役員だけに限られていなかったことです。他の従業員にも直接方法を勧め、さらに、キャピタルゲインのない従業員にまで、その話を武勇伝として語っていました。
提案を受けた人には報酬を求め、提案の対象となる利益がない人には、自分が特別な方法を知り、役員らへ教えているという話を聞かせる。会社の人間関係を、一方では営業先として、もう一方では自分の能力を誇示する場として使っていたという構造です。
株式売却益のない従業員にとって、その話は、自分の申告に必要な助言ですらありません。それでも、会社を経営する側から聞かされれば、単なる知人の雑談と同じようには受け止めにくいものです。何が話され、誰が賛同し、誰が断ったかという空気が、普段の職場の関係へ持ち込まれることになります。
当組合が問うのは、職場で地位を持つ人物が、従業員へ私的な有料の提案を行う際に生じる力関係です。従業員が断っても仕事の評価に影響しないのか、専門家へ別に相談できるのか、不審に思ったときに社内で指摘できるのか。会社は、そうした自由が実際に守られていたかを確認してください。
会社の仕事をするために集まった人が、経営者の不正な節税話の顧客候補や聞き役にされる必要はありません。経営者に求められるのは、従業員が安心して働ける環境と、適法な事業で得る収益です。自分がどれだけ税金を減らす方法を知っているかを披露することは、会社を成長させる実績とは違います。
とりわけ、指南の対価として報酬を要求していたという点は、職場での話の意味を変えます。聞かされたのは、好意による情報交換だけではなく、経営者側が収入を得ようとする提案です。立場の違いを持つ相手への営業について、会社が何を把握し、どのような管理をしていたかを問う必要があります。
従業員を顧客にし、顧客にならない従業員は武勇伝の観客にする。そのような使い分けを、社内コミュニケーションとは呼べません。仕事の成果を共有する場が、経営者の有料指南を広げる場へ変わっていなかったか。役員への提案だけを調べて終わらせず、従業員へ広がった範囲まで確認してください。
実務に関与した真子裕史氏。渡辺誠秘書室から金融取引へ続く役割を問います
今回の端数スキームについて、当組合が確認している内容には、真子裕史氏が仕組みを組み立て、実行する実務に関与していたことも含まれています。渡辺氏が周囲へ方法を売り込む一方、その提案を実際に動かす側に、渡辺誠秘書室の室長でもあった真子氏がいたということです。
真子氏は、株式会社LGアセットの代表者です。同社の公式会社概要にも、代表取締役として真子裕史氏の氏名が掲載され、金融商品仲介業や財務コンサルティング等が事業内容として示されています。会社の公表する業務と、今回実際に行った仕事がどう関係するかを、説明していただきたいと思います。
当組合は、真子氏について、過去の投資案件で、渡辺氏の指示を受けた運用実務と参加者対応に関与していたことを取り上げてきました。表で構想や利益を説明する渡辺氏と、それを実務へ落とす真子氏という関係は、今回初めて問題になったものではありません。
無登録で他人の資産を運用したとされる金融商品取引法違反被疑事件では、渡辺氏、真子氏、LGアセットの三者が書類送検されいます。今回の問題は、その前件に続いて、別の取引と税務上の指南について、指示と実務の関係を問うものです。
前件では資金募集や運用、参加者への対応が問題となりました。今回は、損失を作る方法の組立て、取引の実行、申告へ利用する数字の作成、報酬要求との関係を追う必要があります。真子氏がどの工程を担当し、渡辺氏から何を指示され、実態のない損失を申告に使う目的をどう認識していたかを、具体的に示してください。
真子氏の関与を、単なる予定調整や連絡の取り次ぎとして説明することはできません。当組合が把握しているのは、今回の方法を動かす実務への関与です。その仕事を個人として受けたのか、LGアセットの業務として行ったのか、他の担当者へ何を依頼したのか、報酬を誰が要求・管理したのかが、次に明らかにすべき事項になります。
渡辺氏が自分の知識や人脈を誇る一方、実際の仕事は秘書室長や専門家が担っていたのであれば、その役割分担こそ記事の核心です。構想を語る人物だけを前へ出し、実務を動かした人物の仕事を曖昧にしては、同じ方法が別の相手へ再び持ち込まれることを防げません。
報酬を要求した側と、信じて応じた側を一緒にして調査を終えないでください
今回、当組合が追及するのは、不正な申告を行った人だけではなく、その方法を組み立て、勧め、実務を提供し、報酬を要求した側です。申告書の名義人だけを調べて終えると、次の相手へ同じ方法を持ち込む側の構造が残ってしまいます。
報酬の要求は、その関係を具体的に示す確認対象です。誰が何の名目で金額を提示し、何の仕事を約束し、誰に支払うよう求めたのか。実際に支払いが行われた案件では、受領先とその後の分配まで確認する必要があります。指導、紹介、金融実務、申告支援という名目を付けたのであれば、その名目に対応する実際の仕事を示してください。
「申告したのは本人です」という説明だけでは、有料で方法を勧めた側の行為は消えません。一方で、提案を受けた役員や従業員についても、どの説明を信じ、どの段階で何を認識し、どこまで実行したかを確認する必要があります。勧誘した者と信じた者を最初から同じ位置へ並べるのではなく、各人の行為と認識を明らかにしてください。
本件は、実態のない損失によって納税を免れる意図を伴う指南として、刑事責任を含めた追及が必要な問題です。そのためにも、勧誘時の説明、拒絶や叱責を受けた後の対応、実際の取引、申告内容、税額への影響、報酬の要求を、一つの時系列へまとめる必要があります。
国税庁の課税・徴収漏れに関する情報提供案内も、架空又は事実と異なる経理による不正な申告だけでなく、取引手法を組成・販売している者や、その協力者に関する情報を受け付けています。誰の申告かだけでなく、誰が売り込み、誰が実務を提供したかを調べることには、明確な意味があります。
取締役会と監査等委員会も、役員個人の税務として一括して処理を外へ出すのではなく、会社の役職、人員、信用、会議、秘書機能がどう使われたかを調べてください。勧誘を受けた役員が調査を担当する場合には、その利害関係を確認し、本人が関係する事実の評価を本人だけに任せない体制が必要です。
JPXの不祥事対応のプリンシプルは、必要十分な調査範囲、独立性・中立性・専門性を備えた調査、実効的な再発防止を重視しています。今回であれば、少数の拒否した役員、応じた役員、勧誘された従業員、実務を依頼された人の話を、それぞれ個別に聞けることが重要です。
会社の監督機関が、経営者の説明へ関係者全員を合わせる場所になってはなりません。報酬を要求する側が話を作り、実務を担当する側が数字を作り、問題になった後は会社が一つの説明を作る。それでは、調査まで商品のアフターサービスになってしまいます。
渡辺誠氏・中野爵喜氏・齊藤悟志氏・真子裕史氏と会社への公開質問
ラストワンマイル労働組合は、有料の指南、役員・従業員への勧誘、実務の実行について、次の事項への回答を求めます。方法を紹介した側の説明だけでなく、提案を受けた側へ何が伝わり、実際に何が行われたかを、当時の記録に基づいて明らかにしてください。
- エンジェル税制をめぐる三人の指南について、各人の担当、説明内容、実務、報酬を要求した相手と名目を明らかにしてください。上場直後の役員らの株式売却益に対し、渡辺氏が齊藤氏へどのような指導を行いましたか。
- 渡辺氏が中野氏・齊藤氏とは別に勧めた端数スキームについて、提案を始めた時期、対象範囲、説明した効果、要求した報酬及び実務の依頼先を示してください。実際の損失と申告へ使わせる損失の相違を、どのように認識していましたか。
- 役員だけでなく従業員へ直接指南し、キャピタルゲインのない従業員にも武勇伝として語った経緯について、会社はどこまで把握していますか。会社の役職、勤務時間、連絡経路、人員や費用が使われていたかを確認してください。
- 端数スキームを明確に拒絶し、渡辺氏を叱った役員の指摘に対して、渡辺氏はどのように対応しましたか。その後の勧誘、実務、説明内容を変更又は停止したのかを示してください。
- 提案に応じた複数の役員について、受けた説明、本人の認識、実行した取引、申告へ使用した金額及び税額への影響を、適切な権限・手続で確認しますか。勧誘と申告の各段階を区別して調査してください。
- 齊藤氏が、渡辺氏だけが別の営業をしていてずるいという趣旨で非難した経緯を説明してください。同時に、提案を受けた人への警告、実行の停止、関係先への報告を行ったかを回答してください。
- 真子氏が今回の仕組みの組成・実行に関与した業務について、渡辺氏からの指示、担当した工程、使用した口座・資料の管理、他の実務担当者との分担及び報酬との関係を明らかにしてください。
- 指南に関する報酬について、要求した額と名目、実際の受領の有無、受領者、分配及び会計処理を確認できますか。渡辺氏・中野氏・齊藤氏・真子氏と関係法人の間の役務と金銭の関係を示してください。
- 取締役会と監査等委員会は、関与者から独立した調査体制を設け、所管当局、会計監査人等への報告・相談及び必要な開示を検討しますか。断った人、相談した人、調査へ協力する人への不利益取扱いを、どのように防止しますか。
勧誘を止め、申告を点検し、報酬を要求した側の責任まで追及します
当組合は、今回の情報を、役員間の内輪話として終わらせません。従業員にまで直接勧誘が行われ、利益のない人にも武勇伝が語られていた以上、現在の職場と会社の管理に関わる問題です。方法を使った人だけでなく、その方法を売り、実務を提供した側まで含め、次の対応を求めます。
- 実態のない損失を利用する提案と、それに伴う報酬要求を停止し、説明を受けた人が独立した相談先で取引・申告を点検できる状態を確保してください。経営者の説明に従うことを、職場での関係維持の条件にしないでください。
- 勧誘、拒絶・叱責、実務への指示、取引、損益集計、申告、報酬要求と支払いの記録を保全してください。元の記録を変更せず、当時の説明と後からの説明を区別して確認できるようにしてください。
- 設計者、勧誘者、実務担当者、申告関与者及び受益者の役割を独立して調べ、所管の税務当局等への情報提供、申告の是正、刑事責任の検討につなげてください。会社資源の利用と内部管理への影響も確認してください。
- 報酬の返還や損害回復については、契約、説明内容、本人の認識、実際の被害を踏まえて検討してください。指南した側が、提案を信じた人へ全ての責任を押し付けることを防ぎ、相談者と調査協力者を保護してください。
提案を受けた方は、誰から何を説明され、どの報酬を要求され、何を依頼し、何を実行したかを整理してください。断った場合は、何を問題にして断り、その後にどのようなやり取りがあったかも重要です。武勇伝を聞いた方は、実際に聞いた言葉と、自分が直接確認したことを分けて残してください。
既に申告へ反映している場合は、勧誘や実務に関与した人物とは別の弁護士・税理士へ、取引資料と申告書を示して確認してください。国税庁は申告内容を訂正する手続を案内しています。申告を正す対応と、指南した側の責任や報酬の扱いを調べる対応は、それぞれ進める必要があります。
別団体の「齊藤悟志」被害者の会も、同氏が担った仕事と説明責任について情報を集約しています。相談する際には、人物への評価だけでなく、具体的な説明、依頼内容、支払い、実際の作業、その後の対応を整理することが、責任と被害回復を検討する材料になります。
正当な業務だと説明され、指示に従って作業した従業員については、何を知らされ、どこまでを任されていたかを確認することが必要です。報酬を要求する判断をした人と、渡された資料を事務処理した人の役割を、同じにしてはいけません。会社が守るべきなのは、上で決めた話に従業員を合わせることではなく、従業員が実際に経験したことを話せる環境です。
制度の信用、専門家の肩書、秘書室の実務。その上で要求した報酬を説明してください
エンジェル税制を進める場面では、中野氏の実務と齊藤氏の公認会計士という肩書に支えられていました。国が制度として設け、適用のための要件を示している話でさえ、渡辺氏は周囲の実務なしに進められる立場ではなかったというのが、当組合が把握してきた経緯です。
それでも、別口の方法を役員らへ勧める際には、自分だけが特別な方法を知っているかのように売り込み、報酬を要求していました。その実務には、渡辺誠秘書室室長でもあった真子裕史氏が関与しています。自分の構想を誇る表の説明と、その構想を現実の取引へ変えた裏側の仕事を、つなげて確認しなければなりません。
今回、報酬を要求したという新たな事情によって、問題の輪郭はさらに鮮明になりました。税金の話に詳しい経営者が身内へ助言したという美談ではありません。役員と従業員を勧誘し、一部から叱責されても、複数の役員が応じるに至り、その指南を対価の要求へ結び付けていたという問題です。キャピタルゲインのない社員にまで武勇伝を聞かせていたことも、会社の中でこの行為をどう位置付けていたかを示しています。
ラストワンマイル労働組合が目指すのは、会社の持続可能で健全な存続と、労働者の雇用、生活、健康、尊厳と福祉です。経営者が従業員を私的な指南の顧客にし、会社の信用を自分たちの報酬要求へ使う状態を放置すれば、その目的は守れません。断った人が安心して働き、信じて応じた人が独立した助言を受け、実務を担った人が正確な事実を話せる会社へ変える必要があります。
渡辺氏には売り込んだ内容と報酬要求を、齊藤氏には指導した内容と抗議の理由を、中野氏には三人で進めた指南の実務と対価を、真子氏には端数スキームを組み立て実行した仕事を、それぞれ説明していただきます。減らそうとした税金の話は饒舌でも、自分たちが要求した報酬になると口が重くなる、そのような説明にはさせません。架空の損失を作る工夫ではなく、現実の責任を果たす説明を求めます。
なお、島国発想で無鉄砲に他社に開示を迫る男、渡辺誠氏には、本件について開示責任があるかどうかを、ラストワンマイル公式HPを通じて質問させていただきました。
