【ラストワンマイル労働組合】現従業員からの労災申請に対しなぜ組合の名簿を要求?

目次

本人の請求を読み替えた会社回答を公開します

従業員が求めたのは、療養への配慮と、労災保険給付・傷病手当金の申請に必要な協力です。ところが、ラストワンマイルから届いた回答では、労働組合の組合員名簿、組織図、活動報告書、収支計算書の提出が長々と求められていました。

体調を崩した従業員の手続を進める話が、いつの間にか、その従業員に労働組合の組織と会計を説明させる話になっています。申請した側が提出先を間違えたのではありません。回答する側が、別の問題に答え始めたのです。

当組合は、会社幹部に対して上申書を送付し、従業員本人は、雇用継続と申請協力を求める本人名義の書面等を別途提出しました。組合の要求と本人の請求は、最初から分けています。それでも会社は、本人を「組合員という立場でご連絡をいただいているもの」と整理し、組合への照会を本人だけに送ってきました。

上申書で指摘した問題と、その提出経緯は、下記の記事で公表しています。今回の会社回答が、何に対する回答であるはずだったのか、併せてご覧ください。

「本人名義の請求です」の一文より、独自の前提がお好きなようです

本人の請求書には、冒頭から「本書は、私自身の意思に基づく本人名義の請求・申入れです」と明記しています。難解な条文でも、行間を読み解く必要のある文章でもありません。誰が何を求めているのかを、そのまま書いています。

それに対して、会社は「組合員という立場」と独自の前提を置き、組合の法的性質の説明を始めました。組合に加入している従業員は、自分の療養や雇用について、自分の名前で請求できなくなるのでしょうか。組合員であることと、従業員本人として手続を求めることは、両立します。

法律を独自の理論で長く解説する前に、まず届いた日本語を読んでいただきたいところです。相手が書いていない前提を自分で作り、その前提に向かって質問を重ねても、元の請求への回答にはなりません。文章の長さと、回答の正確さは別物です。

回答期限には具体性ゼロ。それでも従業員には「速やかに」

本人の書面では、当面の健康配慮等への回答を到達後3営業日以内、各請求・申入れへの回答と資料交付、雇用継続に関する回答を7営業日以内としています。事業主証明についても、必要事項のそろった所定様式を受領してから5営業日以内を目安に求めています。さらに、全部の確認が終わらなくても、対応できる部分を先に処理し、残る事項の理由と予定日を示すよう明記しています。

ところが、会社回答にあるのは、上申書について「検討・回答にお時間を要する可能性がございます」という説明です。本人が求めた健康配慮や資料交付について、誰が、何を、いつまでに処理するのかという項目別の予定は示されていません。期限を示されたことに向き合うより、期限のない「お時間」でまとめて済ませたいのでしょうか。

従業員への診断書提出要求には「速やかに」と書けるのに、会社側の処理予定になると急に抽象的になります。相手には迅速さを求め、自分には終わりの見えない検討時間を確保する。少なくとも今回の回答からは、示された期限に沿って対応を進めようとする姿勢が伝わりません。

療養中の従業員を、組合の総務・経理担当にしないでください

会社が求めたのは、本人の勤務や休業に関する確認だけではありません。組合員名簿、役員名簿、組織図、活動報告書、組合規約、収支計算書など、組合の内部運営に関する資料です。それを、休養と治療を必要としている従業員本人に用意させようとしています。

労災等の申請に必要な協力を求めた従業員に、所属組合の組織説明と会計資料の準備を持ち帰らせる。療養の負担を減らすどころか、頼んでもいない宿題を増やす人事対応です。組合に聞きたいことがあるなら、組合に聞けばよいだけです。本人の健康配慮を検討するために、なぜ別団体の収支計算書から読み始める必要があるのでしょうか。

会社回答には、診断書の提出を求める案内もあります。しかし、診断書の確認と、組合の内部資料の収集は別の話です。労災保険法施行規則第23条は事業主の助力と必要な証明を、健康保険法施行規則第33条は必要な証明を正当な理由なく拒めないことを定めています。これらの規定は、支援する組合の名簿や会計資料の提出を要件としていません。

本人の生活や健康への配慮より、本人への追及が前面に出る問題は、これまでも取り上げてきました。今回も、手続を進めるための質問より、本人の負担を増やす質問に熱心な構図が見えます。

組合について聞きたいのに、その組合をCCから外す不思議

さらに不可解なのは、会社が当組合をCCから外し、本人だけに回答を送ったことです。会社自身が、その理由を「本団体の性質が確認できていないことから」と説明しています。単なる送信漏れではなく、組合を送信先から外すという判断をしたことが、回答に書かれています。

しかし、同時送信を求めていたのは組合だけではありません。本人の請求書にも、本人と組合の両方へ同じ内容を送ることと、必要な情報を組合と共有することへの同意が明記されています。会社は、この本人自身の指定を、組合の上申書による指示であるかのように説明しています。

組合のことを質問したい。けれど、その組合は宛先から外す。そして、療養中の本人には「転送して相談しても構いません」と伝える。これでは、会社が自分で外した連絡先への取り次ぎを、健康を損ねた従業員に担当させているだけです。

本人が求めているのは、相談する自由についてのお許しではありません。最初から情報を共有し、説明や転送を繰り返す負担を減らすことです。連絡先を減らす判断はできても、従業員の負担を減らす判断は難しいのでしょうか。

団体交渉は求めていません。それでも「今後の可能性」で話を戻します

当組合が団体交渉を申し入れていないことは、今回初めて説明した話ではありません。6月13日の記事でも明記し、今回の上申書でも、独立した項目を設けて「当労働組合は団体交渉を要求しません」と書いています。

実は、会社も今回のメールで「団体交渉は希望されないとのことですが」と書いています。つまり、その点は読めていたようです。それでも「今後、交渉等に関与される可能性」を持ち出し、組合の組織や財政について、従業員本人に詳しい説明を求めています。

現に出されている本人の請求より、まだ申し入れられていない交渉の「可能性」の方が気になるようです。申し入れていないと説明しても、申し入れていないことを承知しても、結局は同じ組合審査の話へ戻ってきます。将来の仮定をいくら積み重ねても、今日の療養と申請協力への回答にはなりません。

しかも、組合員名簿等を求めながら、「組合員を把握する意図ではない」と説明しています。代替資料でもよいとは付記していますが、最初に並べたのは、まさに構成員の状況が分かる資料です。把握する意図がない情報を含む資料を、なぜまず療養中の本人に要求したのか。ここにも、具体的な必要性の説明が必要です。

他人の資格を論じる前に、自社の回答と過去の活動を確認してください

労働組合は、会社の承認を受けて初めて成立する組織ではありません。労働委員会の資格審査も、救済申立てや法人登記などの手続に伴う制度であり、会社に組合の法的地位を公的に認定・否認する権限を与えるものではありません。会社が独自の見解を持つことと、その見解が相手の法的地位を確定させることは別です。(参考:東京都労働委員会)

そこで当組合の返答では、今回の資料要求の根拠と必要性に加え、過去に渡辺誠氏らが関与したとされる労働組合関連の活動についても、同じ基準で確認していたのかを問うています。当時の指揮命令関係、運営実態、関係書類や会計資料も含め、自社の経営陣が関わった活動に対しても、現在の説明と一貫した検証を求めるものです。

他人の組織図と収支には詳しい説明を求める一方、自社の関係者が何をしていたかは説明しない。それでは、法令順守のための確認なのか、相手によって使い分ける関門なのかが分かりません。必要なのは、もっと長い法律解説ではなく、同じ問いに同じ基準で答えることです。

「適切に対応します」という言葉だけでは、誰が何を確認し、どう処理したのかは分かりません。この点は、以前の記事でも指摘しています。

「本人名義」は読み替え、「団体交渉は求めない」は将来の仮定で押し戻し、「両方へ送ってほしい」は片方を外して本人に転送させる。そこまで手をかけるのであれば、最初から書面に書かれた請求へ回答した方が、会社にとっても従業員にとっても早いはずです。

会社回答と当組合の返答を公開します

以下に、従業員本人の氏名・個人の連絡先、公開に不要な医療情報その他の個人情報を伏せた上で、ラストワンマイルからの回答と、それに対する当組合の返答を掲載します。

何を求めた書面に、何が答えられ、何が答えられていないのか。難しい法律論に入る前に、まずその基本をご確認ください。従業員を守るための手続と、会社が熱心に続ける組合論との距離が、文面そのものから見えてきます。

元従業員からの労災申請に対してのラストワンマイル社の返答

????様

平素よりお世話になっております。

この度、ご送付いただきましたラストワンマイル労働組合(以下「本団体」といいます。)作成の2026年10月5日付「上申書」、??様作成の同日付「雇用継続及び定年後再雇用要求書」、「労災保険給付・傷病手当金の申請協力及び事業主証明請求書」及び「この会社で、これからも。」につきまして、内容を確認させていただいております。

??様におかれましては、本団体の組合員という立場でご連絡をいただいているものと理解しております。

当社といたしましては、適切な対応を検討する観点から、??様が所属するとされる本団体について、まずは労働組合法第2条柱書に規定される「労働組合」に該当するか否かを確認する必要があると考えております。

労働組合法上の「労働組合」に該当するためには、①「労働者が主体となつて」②「自主的に」③「労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として」④「組織する団体又はその連合団体」であることが必要とされます(労働組合法第2条柱書)。

つきましては、上記①~④の該当性を判断するために、本団体の組織実態を確認させていただければと思っております。なお、団体交渉は希望されないとのことですが、その場合であっても、本団体が労働組合法上の労働組合であるか否かについては、今後、??様との交渉等に関与される可能性があるため、事前に確認させていただければと思っております。

つきましては、以下の資料のご提供をお願いしたく存じます。

・本団体の組合員名簿、組合役員名簿その他構成員の状況が分かる資料

・本団体の組織図その他組織体制が分かる資料

・本団体の活動報告書その他活動実績及び活動目的が分かる資料

・本団体の組合規約、収支計算書その他組織運営の実態が分かる資料

なお、使用者は、労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入したこと、労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者に対して不利益な取扱いをすることは、不当労働行為として禁じられております(労働組合法第7条第1号本文)。そのため、本団体が労働組合法上の「労働組合」に該当する場合、??様が本団体に所属している事実又は本団体の組合員として当社に連絡を行った事実を理由として、??様を不利益に取り扱うことはありません。名簿等の提出を求めているのは、上記①~④の該当性を判断するためのものであり、本団体の組合員を把握する意図ではないことを、念のため申し添えておきます。当社としては、上記①~④の該当性を判断できる資料であれば、上記各資料にこだわるものではありませんので、適切な資料のご提供をお願いいたします。

ただし、①については、団体の構成員の大部分が労働者であること(量的側面)とともに、その活動の重要な部分を労働者が主導していること(質的側面)を意味すると解されており、労働者が量的にも質的にも主要な主体となっていることが必要とされます。また、②については、使用者からの独立性を求めることにその趣旨があるところ、使用者の利益代表者の参加を許すもの(同法第2条第1号)や使用者からの経理上の援助を受けるもの(同条第2号本文)は労働組合法上の「労働組合」には該当しないことから、その組織体制や組織運営の実態を確認する必要があります。さらに、③のうち「経済的地位の向上を図ること」とは、労使が対等な立場に立って行う団体交渉によって労働者の経済的地位の向上を図ることを意味すると解されており、このような労働者の経済的地位の向上が団体の主たる目的であることが求められます。そのため、本団体の運営目的や活動内容を確認する必要があります。最後に、④の「団体」とは複数の者の集合体であって、規約を有し、その運営のための組織(意思決定機関、執行機関、役員)と財政を有しているものをいうと解されており、「団体」といえるためには少なくとも2人以上が組織されていることが必要とされています。

したがいまして、代替資料をご提出いただく際には、このような実態を確認できる資料をご準備ください。

当社としては労働組合として適法に活動する団体の活動を否定する意図は一切なく、適切な事実確認を行うために必要な資料のご提供をお願いするものでございますので、何卒ご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。

また、お送りいただいた書面にて適応障害の診断および休養が必要である旨の記載がございましたが、現時点におきまして、当社には医師による診断書がご提出されておりません。

休職の手続き等を進めるにあたっては、就業規則等に基づき診断書のご提出が必須となります。そのため、現状におきましては休職等の手続きを進めることができず、欠勤の扱いとせざるを得ないことを申し伝えます。

つきましては、休職等をご希望される場合は、速やかに診断書をご提出くださいますようお願いいたします。診断書をご提出いただけましたら、内容を確認のうえ、診断書の日付からの休職扱いとして手続きを進めさせていただきます。

なお、本メールにつきましては、上申書にて本団体のメールアドレス(???@?????)をCCに含めるようにとのご指示がありましたが、本団体の性質が確認できていないことから、当社従業員である??様宛てにのみ送付しております。もっとも、本団体が労働組合法上の労働組合であるか否かを問わず、??様が第三者にご相談されることは自由であると考えておりますし、本団体に関する資料提供をお願いするものですので??様において本メールの内容を本団体にご共有されることを妨げるものではございません。

上申書の内容につきましては、内容が多岐にわたりますので、検討・回答にお時間を要する可能性がございます。ご理解いただけますと幸いです。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

ラストワンマイル労働組合からの返信

労働組合の適格性確認に関する法的根拠及び過去の関連活動についての照会

平素よりお世話になっております。

ご回答を拝見いたしました。

まず、労働組合法第2条の該当性について詳細なご説明をいただきましたが、根本的な法律問題として、貴社はいかなる法的権限に基づき、当団体が労働組合であるか否かを審査・判断されるのでしょうか。

労働組合は、憲法第28条に保障された団結権を基礎として自主的に組織されるものであり、使用者による承認や認定を成立要件とするものではありません。

労働委員会による資格審査制度は存在しますが、すべての労働組合に事前審査を義務付ける制度ではなく、使用者に労働組合の資格を認定・否認する公的権限を与えるものでもありません。

貴社が独自の法的見解を持つことは自由ですが、その判断によって当団体の法的地位が確定するわけではありません。

そこで、次の点について明確なご回答をお願いいたします。

1.貴社は、労働組合の適格性を公的に認定又は否認する権限を有する機関なのでしょうか。また、貴社が予定する審査の法的根拠及び法的効果は何でしょうか。

2.当団体は、現時点において貴社に団体交渉を要求しておりません。団結権及び団体行動権を基礎とする労働者の権利行使・相互支援のプラットフォームとして活動しております。団体交渉の申入れもない段階で、組合員名簿、役員名簿、財務資料等の提出を求める具体的な法的根拠は何でしょうか。

3.労働組合法第5条第2項に規定された組合規約上の要件と、同法第2条に規定された労働組合の基本的要件を、貴社はどのように区別して理解されているのでしょうか。特に、資格審査に関する規定を根拠として、使用者が組合内部資料の提出を要求できると解するのであれば、その法的根拠をご提示ください。

4.組合員名簿等の提出を求めながら、「組合員を把握する意図ではない」と説明されていますが、組合員の氏名や所属を把握すること自体が、労働組合法第7条第3号にいう支配介入の問題を生じさせ得ることについて、どのように検討されたのでしょうか。

なお、名簿の提出要求が直ちに不当労働行為となると断定するものではありませんが、必要性、相当性及び要求に至った経緯については、具体的な説明が必要と考えます。

さらに、本件については、貴社の過去の活動との整合性という、看過できない問題があります。

以前、渡辺誠会長が中野爵喜氏と定例会議を重ね、複数の企業に対する交渉等に関与し、貴社のコールセンターにおいても関連する労働組合活動が行われていたとの情報を把握しております。

この点について、当団体が把握している経緯では、中野氏は、当時から数年間にわたり、渡辺会長のオフィスを拠点として、同会長の指揮の下で業務を行っていました。また、両氏の関係を背景として、「ミンナのユニオンは渡辺会長と中野氏の二人で発案した」という触れ込みが周囲に広められていたことについても、事実関係の確認を求めます。

中野氏が同オフィスで業務を行っていた期間、同氏の立場及び業務内容、渡辺会長による指示の内容、施設・人員・経費の負担関係を明らかにしてください。併せて、「二人で発案した」という説明を誰が、いつ、どのような相手に行っていたのか、その説明の根拠と、実際の発案・設立・運営に対する両氏の関与を、当時の記録に基づいて確認してください。

貴社が当団体に対して「労働者が主体となっているか」「使用者から独立しているか」を詳細に問題とするのであれば、渡辺会長の指揮の下で行われていたこれらの活動についても、誰が意思決定を行い、誰が実務を担い、誰が費用を負担していたのかを、同じ具体性をもって検証する必要があります。

仮にこれらが事実であれば、当時の活動について、現在当団体に要求しているような組合員名簿、組織図、活動報告書、収支計算書等の提出や適格性審査が実施されていたのでしょうか。

実施されていなかったのであれば、なぜ当時はそのような資料確認を必要とせず、今回は団体交渉すら申し入れていない当団体に対して詳細な内部資料の提出を求めるのでしょうか。

貴社の現在の法的見解に従えば、当時の渡辺会長及び中野氏らによる活動にも同様の問題が存在した可能性があるのではないでしょうか。

もちろん、労働組合の資格に疑義があることと、交渉行為そのものが違法であることは同義ではありません。

だからこそ、当時の活動の法的性質、交渉権限、使用者からの独立性及び実際の運営状況について、貴社自身の法的見解との整合性を検証する必要があります。

また、これらの過去の労働組合活動について、取締役である久木宮氏が実務担当者であったという情報まで広い噂になっておりますが、他の取締役及び監査役は、どこまで把握していたのでしょうか。

当時の会議記録、関係者間の連絡、交渉記録、コールセンターの業務記録等について、誰が、どのような調査を実施するのか、調査主体、調査範囲及び回答予定時期を明らかにしてください。

その検証のため、渡辺会長が指揮を執り、又は関与していた労働組合及びその関連活動について、貴社が保有又は管理する関係書類の開示を求めます。

具体的には、当該労働組合の名称、設立関係資料、組合規約、組織図、役員及び意思決定機関の構成が分かる資料、活動報告書、収支計算書その他の会計資料、渡辺会長による指示・承認の記録、定例会議の議事録並びに関係者間のメール・チャット等です。これらに加え、他社に対して送付した交渉申入書・通知書、交渉権限を示す委任関係書類、契約書、合意書、報酬・費用に関する請求書及び入出金記録、貴社のオフィス・コールセンター・従業員を利用した業務の内容及び費用負担が分かる資料についても、開示してください。

これは、当団体が第三者の労働組合の資格を公的に審査するためではなく、貴社の経営陣がどのような立場と権限で活動に関与し、貴社の施設・人員・資金がどのように用いられていたのか、そして現在の貴社の説明と整合しているのかを確認するための要求です。

本件の確認に不要な一般組合員や相談者の氏名・連絡先等については匿名化した上で、役職者の関与、意思決定、業務及び資金の流れが確認できる形で開示してください。資料が存在しない、保存されていない又は開示できないとする場合には、資料ごとに、その理由、保有・管理主体及び保存状況を明らかにしてください。

さらに、上場申請期には、当時取締役であった工藤健二氏が渡辺氏および中野氏と共謀し、両者が支配する別会社から実態のない売上を貴社に付け、それを貴社のコールセンターの売上として無権限かつ無断で計上していたとの情報も把握しております。

この情報について、工藤氏、当該別会社の名称及び実質的な支配関係、対象取引の時期・金額・契約内容、実際に提供されたとされる業務の内容、並びに渡辺会長及び中野氏の関与を、具体的に調査してください。

併せて、当該売上と前記の労働組合関連の交渉・支援活動との関係、支援行為の適法性、取引の実在性及び売上計上の根拠を、それぞれ明らかにしてください。労働組合関連のサポートとして実際に何を行い、誰が誰に対して、何の対価を支払っていたのかが問われています。

貴社は、違法なサポートの対価や実態のない取引による売上を、正当なコールセンターの売上として業績に組み入れ、その業績を基礎として上場申請を行い、上場に至ったのでしょうか。そうではないというのであれば、対象取引の実態と適法性、売上計上の根拠及び上場申請資料への反映内容を、原資料に基づいて説明してください。

契約書、発注書、請求書、入出金記録、実際の業務遂行を示すコールセンターの記録、売上台帳・会計仕訳、社内決裁資料、上場申請書類及び財務諸表の該当箇所を照合し、当時の取締役会、監査機関、監査法人及び主幹事証券会社等に、どのような事実が説明されていたのかも確認してください。

当団体の組織や収支について詳細な説明を求める一方で、貴社自身の経営陣が関与した活動の実態や、その活動と売上計上・上場申請との関係を説明しないという対応では、貴社が掲げる確認基準の一貫性は示されません。前記の組合関係書類と売上関係資料を併せて保全し、関与者自身の説明だけで調査を終えず、利害関係のない監督機関又は外部専門家等による検証の体制と予定を明らかにしてください。

なお、当団体の法的地位に関する貴社の疑義と、??氏個人の雇用継続、労災保険給付及び傷病手当金の申請協力等は、それぞれ別個の法律問題です。

これらの対応を当団体の内部資料の提出や貴社による適格性確認に事実上結び付けることがないようお願いいたします。

診断書についても、就業規則上の提出要件、休職開始日及び欠勤処理の根拠を明示いただき、医療上の事情を踏まえて適切に対応してください。

最後に、本件は単なる組合資格の確認ではなく、労働者の団結権に対する貴社の基本姿勢と、過去の経営陣による活動との法的整合性が問われる問題であると認識しております。

したがいまして、本照会及び貴社からの回答については、必要な個人情報等に配慮した上で、当団体の組合員全員に周知し、今後の対応について共有させていただきます。

貴社におかれましては、労働組合の適格性を審査する立場を自認される以上、まずはその法的権限と、過去の自社関係者の活動に対して同一の法的基準を適用していたのかについて、具体的かつ一貫したご説明をお願いいたします。

以上、よろしくお願いいたします。

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