ラストワンマイルは、当組合の組織や運営について詳細な資料を求め、組合の性質が確認できていないことを理由に、従業員本人が指定した組合への同時送信も行っていません。そこで今回は、確認する側の会社に、確認しなければならないことを整理しました。
誰が、何を、何のために確認するのか。そして、その要求はどの法律に基づくのか。他者に証明を求めるほど法的根拠を重視する会社であれば、自分が行う要求の根拠を説明することも、当然できるはずです。
労働組合は、会社の許可をもらうために結成するものではありません
労働組合の設立に、会社の許可や官公署への設立届出は必要ありません。労働委員会による資格審査は、不当労働行為の救済申立てなど、一定の手続に関する制度です。会社が労働組合の存在を許可するための制度ではありません。この点は、東京都労働委員会の案内でも確認できます。
会社が必要な範囲で代表権限等を確認することと、労働組合が成立するために会社の承認を必要とすることは、別の話です。今回の照会では、何を確認する必要があり、どの資料が、どの手続のために必要なのかを具体的に示すよう求めています。「確認が必要です」と繰り返すことは、確認の必要性を説明したことにはなりません。
当組合が団体交渉を申し入れていないことも、以前から明示しています。企業内組合と外部の合同労組との連携について制限を主張するのであれば、どの活動を、どの法令に基づいて制限するのかを示してください。会社の想定に合わない活動を、会社の想定だけで不適格にする制度ではないはずです。
本人の同意は確認済み。それでも、CCの前に組合審査ですか
従業員本人は、組合への同時送信と、必要な情報を組合と共有することについて、自分の書面で明示的に同意しています。会社も、その本人に直接メールを送っています。本人が誰か分からないわけでも、本人が情報共有を望んでいるか分からないわけでもありません。
それでも、会社は組合の性質が確認できていないことを理由に、組合を送信先から外しました。本人が認めた情報共有の話が、いつの間にか、別団体の組織や会計を調べる話に変わっています。CC欄に連絡先を一つ加えるまでに、そこまで大がかりな審査が必要なのでしょうか。
共有先の確認や同意範囲に不足があるなら、その不足を具体的に示せば済む話です。問われているのは、確認を一切するなということではなく、本人の意思を実行するために何の確認が必要なのかということです。会社が確認項目を増やすたびに、療養中の本人の説明や転送の負担まで増えるのであれば、誰のための確認なのかも説明していただきたいところです。
組合の内部資料には厳格。経営陣自身の記録にはどうでしょうか
会社が当組合の資格を問題にする一方、伊藤美和氏による性的嫌がらせの申告、労災申請への協力請求、申告対象者が関与したとされる担当者選任については、十分な説明が示されていません。他者には資料を求め、自らの対応には具体的な根拠を示さない。その使い分けを、法令遵守と呼ぶのでしょうか。
今回の照会では、渡辺誠氏が起訴状に関する情報を取得していたと吹聴している経緯や、エンジェル税制に関係したとされる元役員及び齊藤悟志氏の関与についても、事実確認を求めています。情報の取得の有無、入手経路、利用目的、社内共有の範囲、関連する取引の会計・税務処理を、記録に基づいて説明するよう求めるものです。
これらの事情だけで、粉飾決算や脱税への加担を決め付けるものではありません。だからこそ、関与の有無、役割、処理内容及び調査結果を確認する必要があります。組合の規約や収支を詳しく調べたい経営陣であれば、自社関係者の取引や会計処理を同じ具体性で調べることにも、異論はないはずです。
経営陣に関する疑義を、独立した調査と会社の説明責任の問題として扱う必要性は、既に次の公開質問でも指摘しています。
また、別媒体「オカミのユニオン」の検察ユニオンは、齊藤氏による営業・紹介等とラストワンマイルの業務との関係、経営陣の認識、報酬の流れについて検証を求めています。肩書きだけで関与を決めるのではなく、実際の業務と資金の流れを確認するという点で、併せてご覧ください。
関連記事(検察ユニオン):指南役と疑われる齊藤悟志氏に対するラストワンマイルの使用者責任はいかに
資格証明要求の根拠と、経営陣の説明責任を問う照会文を公開します
以下に、従業員の氏名や個人の連絡先など、公開に不要な個人情報を伏せた上で、取締役会・監査等委員会・経営陣に向けた当組合の照会文を掲載します。組合への証明要求を誰が決めたのか、その目的と根拠、本人の同意に基づく情報共有との関係、そして経営関係者の会計・税務上の疑義への対応を問う内容です。
証明を求める側だけが、証明を免れる仕組みはありません。労働組合の資格を詳しく調べるのであれば、まず、その要求の根拠を詳しく説明してください。当組合が求めているのは、会社からの認定証ではなく、会社自身の判断に対する説明です。
労働組合の資格証明要求に関する法的根拠及び経営陣の説明責任について
株式会社ラストワンマイル
取締役会・監査等委員会・経営陣 各位
ラストワンマイル労働組合です。
貴社が当組合に対して労働組合の証明を求めていることについて、法的根拠を確認します。
そもそも、貴社は誰の、何の資格を、何のために確認しようとしているのでしょうか。
1.労働組合の設立に会社の許可も労働委員会への届出も必要ありません。
憲法第28条は団結権を保障しています。
労働組合は労働者が自主的に結成でき、行政機関への設立届出も事前認証も不要です。
労働組合法第5条に基づく資格審査は、不当労働行為の救済申立て等、法律上定められた手続に関する制度であって、会社が労働組合の存在を許可する制度ではありません。
企業内組合が外部の合同労組と連携することも、それ自体は禁止されていません。
貴社は、これらの基本的な法制度を理解した上で証明を要求しているのでしょうか。
労働組合の成立に会社の承認が必要だというのであれば、その法律の条文を具体的に示してください。
2.本人が認めた情報共有に、なぜ組合の資格証明が必要なのでしょうか。
??氏は貴社の現従業員であり、貴社は本人に直接メールを送信しています。
本人は、当組合への同時送信と必要な情報共有について、既に明示的な意思表示をしています。
当組合が求めているのは、まず本人が指定した連絡方法の履行です。
団体交渉の相手方としての資格確認と、本人の同意に基づく情報共有は、法律上別の問題です。
本人であることは認識している。本人の同意も示されている。それでも組合の資格証明がなければ同時送信できないというのであれば、その法的根拠は何でしょうか。
確認すべき具体的な権限や同意範囲があるなら、その事項を明示してください。
3.組合の資格を調べる前に、会社自身の法令遵守を説明してください。
労働組合法第7条第3号は、使用者による労働組合への支配介入を禁止しています。
会社が合理的な範囲で代表権限等を確認することは否定しません。
しかし、組合の資格確認を理由として、正当な組合活動を妨げたり、本人が指定した連絡方法を不合理に拒否したりするのであれば、不当労働行為の問題が生じ得ます。
貴社は、当組合の資格を疑う一方、伊藤美和取締役による性的嫌がらせの申告、労災申請への未回答、申告対象者が関与したとされる担当者選任について、十分な説明をしていません。
組合には証明を求めるのに、自社の対応については根拠を示さない。この非対称な説明責任を、経営陣はどのように正当化するのでしょうか。
4.エンジェル税制、粉飾決算及び脱税に関する疑義についても説明を求めます。
当組合は、渡辺誠氏が刑事事件の起訴状に関する情報を取得していたと吹聴している経緯、エンジェル税制に関係したとされる元役員及び上場責任者・齊藤悟志氏の関与についても、事実確認を求めます。
これらの事情だけで粉飾決算や脱税への加担が認定されるわけではありません。
しかし、仮に経営関係者が非公開の刑事事件情報を取得していたのであれば、その入手経路、利用目的、社内共有の範囲及び適法性は、確認すべき事項です。
また、エンジェル税制に関する取引や申告について、会社又は複数の役員が関与した事実があるのであれば、その内容、会計処理、税務処理及び内部監査の実施状況を明らかにしてください。
労働組合の資格を確認するほど法的形式を重視するのであれば、経営陣自身の会計・税務処理についても、同じ厳格さで証拠と根拠を示すべきではありませんか。
当組合は、関係する元役員及び齊藤悟志氏について、会社の取引や税務処理への関与の有無、役割、調査結果を、個人情報及び調査上の必要性に配慮した上で開示するよう求めます。
5.経営陣への質問
以下について、回答責任者及び法的根拠を明示してください。
- 労働組合の資格証明を要求した者、判断日、目的及び根拠法令。
- 労働委員会の資格審査が、本人の同意に基づくメール同時送信の前提条件になるとする法的根拠。
- 企業内組合と合同労組の連携について、貴社が何らかの制限を主張するのか、その根拠。
- 渡辺誠氏による起訴状関連情報の取得の有無、取得経路及び利用目的。
- エンジェル税制に関する元役員及び齊藤悟志氏の関与の有無、関連する会計・税務上の検証結果並びに開示の要否。
労働組合は、会社に存在を認めてもらうために結成するものではありません。会社の許可がなくても団結できることこそ、憲法第28条の保障する権利の本質です。
貴社が確認すべきなのは、組合の存在を許すかどうかではなく、会社自身が労働者の権利を適切に尊重しているかどうかです。
組合の証明を求めるのであれば、まず、その要求の法的根拠を証明してください。
以上。
ラストワンマイル労働組合
