【ラストワンマイル労働組合】「10年以上働いた医師は専門医」渡辺誠CEOの広告研修は大丈夫ですか

広告は、目立てばよいものではありません。特に医療、価格、効果に関する表示は、消費者が契約又は受診を判断する重要な情報であり、正確な根拠が必要です。

現ラストワンマイル在籍者から当組合に情報提供された株式会社ラストワンマイルの営業媒体研修では、代表取締役会長兼CEOの渡辺誠氏が、病院の看板、脱毛サービスの価格表示、広告効果の数値、インターネット画像の利用について、極めて危うい説明を行っています。

目次

「専門医とは10年以上実務経験がある医者」

病院の看板を改善する事例で、渡辺誠氏は「専門医在中」と表示する案を示し、専門医を次のように定義しています。

「専門医とは、10年以上実務経験がある医者を専門医と言います」

専門医は、単に医師として10年間勤務した人を示す一般語ではありません。専門領域における研修、試験、認定、更新等の要件を満たした資格として扱われる表示です。

実際の資格を確認せず、勤務年数だけを根拠に「専門医在中」と広告すれば、患者は、特定分野について正式な専門資格を持つ医師が在籍していると誤認する可能性があります。

病院へ集客するためのキャッチコピーとして、医師の資格を独自定義してよいのでしょうか。

元の5500円を書き、3980円を安く見せる

脱毛サービスのチラシを検討する場面では、割引後の価格だけでなく、元の価格を表示するよう求めています。

「元の金額がいくらかを書いていないと、比較で落とせない。5500円という金額を入れさせたい」

実際に5500円で通常販売していた実績があり、同一サービスの正確な通常価格であるなら、比較表示は可能です。

しかし、顧客に安いと思わせる目的で、販売実績のない価格又はごく短期間だけ設定した価格を「通常価格」として加えれば、実際より大幅に値引きされているとの誤認を招きます。

重要なのは、比較価格を入れると広告効果が上がるかではなく、その価格が現実の販売実態に基づいているかです。

検索で出てきた画像を「これでいいや」

「これは適当に看板で検索したら出てきた写真だったから、これでいいやと思って出しました」

インターネット検索で表示された画像は、自由に利用できる素材集ではありません。撮影者、制作会社、店舗、広告会社等が権利を有している可能性があります。

社内研修での利用だから何でも許されるわけではなく、資料の配布範囲や利用方法によっては著作権上の確認が必要です。

法務研修では法的リスクを数値化しろと教えながら、営業研修では検索画像を「これでいいや」と使用しているのであれば、同社のコンプライアンスは部署ごとに消えたり現れたりするのでしょうか。

数字は忘れたが、実験結果として教える

広告に「今すぐ電話」と記載する効果について、渡辺誠氏は、100人のうち1人程度の差が出るとの趣旨を説明しています。

「数字は少し忘れたけれど、0.01くらいの差だったと思います」

広告効果の数値を研修で教えるのであれば、調査主体、対象業種、母数、期間、比較条件、統計的な信頼性を示す必要があります。

数字を忘れているにもかかわらず「実験結果」として具体的な効果を説明すれば、従業員は根拠不明の数字を顧客提案へ使用する可能性があります。

株式会社ラストワンマイルへの公開質問

  1. 研修で例示した病院に「専門医在中」と表示する提案を実際に行いましたか。
  2. 対象医師が正式な専門医資格を保有していることを確認しましたか。
  3. 脱毛サービスの5500円は、実際に通常販売されていた価格ですか。
  4. 5500円で販売された期間及び件数を確認しましたか。
  5. 検索で取得した看板画像について、権利者から利用許諾を得ていましたか。
  6. 「今すぐ電話」と記載する効果の数値について、出典資料を開示できますか。
  7. 広告制作物を法務又はコンプライアンス部門が審査する仕組みはありましたか。

広告は、顧客の誤解を設計する仕事ではありません

専門医という言葉、通常価格という数字、広告効果の統計は、顧客が内容を信頼するための重要な情報です。

目立つ言葉を先に置き、資格や価格の根拠を後から考える広告は、売れる広告かもしれません。しかし、正しい広告とは限りません。

株式会社ラストワンマイルが広告支援を事業として提供するのであれば、顧客を右向け右で向かせる前に、自社の表示が法令と事実の方向を向いているかを確認すべきです。

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