【ラストワンマイル労働組合】「バレる確率1%なら顧客リストを転売」渡辺誠CEOが法務部へ教えた発覚確率コンプライアンス

ラストワンマイル労働組合には、株式会社ラストワンマイルで現在も勤務する複数の組合員から、代表取締役会長兼CEOである渡辺誠氏の発言や行動について、上場企業の代表者として到底看過できないとの相談が継続的に寄せられています。

今回、その申告を裏付ける資料として、渡辺誠氏が従業員を対象に実施した法務研修の動画が、現ラストワンマイル在籍者から当労働組合へ提供されました。

そこで語られていたのは、法令や契約を守るための法務研修というよりも、違反が発覚する確率と会社の利益を比較し、発覚しにくければ実行するという、驚くべき経営判断でした。

目次

顧客リストの転売を「相手には分からない」と説明

法務研修で渡辺誠氏は、代理店から受領した顧客リストについて、契約書に転売を認める明確な記載がないにもかかわらず、別会社へ転売する場面を事例として取り上げています。

「代理店から顧客リストをもらいました。その顧客リストを他社へ転売します。元の会社から訴えられるリスクは、今回の場合なら1%もない。そもそも転売することは相手にも分からないからです」

法律上許されるか、契約相手が同意しているか、顧客本人が第三者提供を予測できていたかではなく、「相手に分からないから訴えられない」という説明です。

これは、コンプライアンスを法令や契約に従うことではなく、違反が発見される可能性を計算することへ置き換える考え方です。万引きをしても店員に見つかる確率が1%なら、経営判断として商品を持ち出してよいという理屈と、構造的に何が違うのでしょうか。

承諾を求めると拒否されるから、聞かずに実行するのか

研修参加者は、顧客リストの提供元へ転売の承諾を求めれば、契約を変更して合法的に実行できる可能性がある一方、承諾を拒否される可能性もあるため、あえて確認せずに転売する選択もあり得るのかと質問しました。

これに対する渡辺誠氏の回答は、極めて明快でした。

「そういうこと。この1%のリスクを飲み込んで転売するかどうかは、営業部長または担当取締役が判断する」

承諾を求めると禁止されるかもしれない。禁止されれば転売できなくなる。だから、相手が知らないうちに転売し、訴えられる確率だけを計算する。

法務部門の役割は、このような行為にそれらしい確率を付け、営業側へ渡すことなのでしょうか。

法的リスクが90%でも、役員会が飲み込めば実行

渡辺誠氏は、特定の顧客リスト転売だけでなく、法的リスク全般についても、次のように説明しています。

「そのリスクが30%であろうが、50%であろうが、90%であろうが、役員会で飲み込むと言ったらやる。判断するのは経営者です」

契約解釈に複数の見方がある場合、訴訟リスクを経営者が判断することはあります。しかし、法令や契約によって禁止されている行為まで、利益が損害額を上回れば実行してよい投資案件になるわけではありません。

それでも渡辺誠氏は、多少の問題が起きても営業利益が伸びるなら、会社側が責任を取ればよいとの趣旨を重ねています。

「多少何か問題が起こったとしても、それによって営業利益が伸びるのであれば、こちらが全部ケツを拭く」

ここで言う「こちらが責任を取る」とは、渡辺誠氏が自らの個人資産で全額を負担するという意味ではありません。訴訟費用、損害賠償、行政対応、信用低下による損害を負担するのは株式会社ラストワンマイルであり、最終的には株主、従業員、顧客です。

法務部は違法性を判断せず、営業部長へ渡すだけ

渡辺誠氏は、法務部門の役割についても、適法性を判断することではないと説明しています。

「法務部が、この契約書はよい、悪いと判断することは仕事ではない。どの程度のリスクがあるかを伝えて、判断は営業側にさせればよい」

「リスクをきっちり伝えておけば、自分たちの責任はない」

法務部が「違法又は禁止されているため実行できない」と止める機能を失い、営業部門へ訴えられる確率だけを提供するのであれば、法務部は会社を守る牽制部門ではなく、危ない営業を実行可能にする計算係となります。

渡辺誠氏と株式会社ラストワンマイルへの公開質問

  1. 研修で例示された顧客リストは、実在する取引又は営業計画を題材としたものですか。
  2. 当該顧客リストには、氏名、電話番号、住所、契約情報その他の個人データが含まれていましたか。
  3. 顧客本人又は提供元から、第三者への転売について同意を取得していましたか。
  4. 提供元へ承諾を求めると拒否される可能性があるため、あえて承諾を得ずに転売するとの判断が、実際に行われたことはありますか。
  5. 渡辺誠氏が述べた「訴えられる確率1%」には、どのような法的根拠又は統計的根拠がありますか。
  6. 法的リスクが90%でも役員会が受け入れれば実行するとの方針は、現在も維持されていますか。
  7. 取締役会及び監査等委員会は、この研修内容を把握していますか。

コンプライアンスは、バレない方法を考える部署ではありません

法令違反や契約違反の有無は、相手に発覚する確率によって変わりません。相手に知られないように行うことは、適法性を高める事情ではなく、むしろ行為の認識や意図を考える上で深刻な事情となり得ます。

顧客情報を守る立場の上場企業が、「相手には分からないから訴えられる確率は1%」と従業員へ教えていたのであれば、顧客は何を信頼すればよいのでしょうか。

株式会社ラストワンマイルが説明すべきなのは、発言の一部が切り取られたという弁解ではありません。なぜ顧客リストの無断転売を題材にし、なぜ承諾を得ない選択を肯定し、なぜ法的リスクが90%でも実行できると教えたのかです。

コンプライアンスとは、バレない方法を考えることではありません。バレたときの賠償額を計算することでもありません。守るべき法令、契約、顧客の権利を、会社の利益より先に確認することです。

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